2013年9月議会一般質問 松村ヤス子:国民健康保険と生活保護制度について

 日本共産党議員団の松村ヤス子です。国民健康保険と生活保護制度についてお尋ねいたします。

 そもそも社会保障とはなんでしょうか。

 専門的な辞書によれば、「労働者とその家族、国民が、病気やけが、労働災害、身体や精神の障害、妊娠・出産・育児、失業と老齢、そして、働き手などの死亡といった社会的事故・原因によって、一時的にせよ長期的にせよ、生活が脅かされたときに、労働者や国民の基本的な社会的権利として、正常な生活をいとなめるように、所得の保障、あるいは、現物給付ないしは、サービスという手段により、国家が措置・保障する制度をいう とあります。

 憲法第25条には、すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障、及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない とあり、社会保障制度の基本を規定しています。

 また、これまでも述べてきたことですが、国保法「第1条」は「この法律は、国民健康保険事業の健全な運営を確保し、もって社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする」と定めており、「第4条1項」で、「国は、国民健康保険事業の運営が健全に行われるようにつとめなければならない」と 憲法第25条に沿って、国保が、社会保障制度であることを明確にしています。

質問

 本市においては、厳しい財政だといいつつも、4億円の繰り入れ、そして、国保料が基準総所得の2割を超える場合の特別減免制度を設けてきました。また、国の負担割合の引き上げを国に求めています。国保制度が、市民共助の制度でなく、国保法第1条、第4条に根拠のある社会保障制度であるからこそ、自らも努力し、そして、国にもその改善を求めてきたものと受け止めていますが、市長のご見解を伺います。

答弁

 国民健康保険事業は、国保法第1条及び第4条の文言のとおり、社会保障制度のひとつとして、保険の仕組みを用い、社会的な相互扶助の精神に基づき、加入者により支え合う社会保険として、国、県及び保険者としての市町村の責任のもと、運営されていると認識しています。

 こうした考えのもと、国保の健全運営に向け、厳しい財政状況のなかではありますが、一般会計から財政健全化として4億円、特別減免分約2億円の繰入金を確保するとともに、適宜機会を捉えて、国庫負担の引上げなどについて、要望を行っているところでございます。

 自民・公明・民主の3党による「社会保障と税の一体改革」の合意により、昨年8月10日に「社会保障制度改革推進法」略して「推進法」が成立しました。

推進法、第1条では、受益と負担の均衡が取れた社会保障制度の確立を目的と定めています。また、基本的な考え方を定めた第2条では、自助、共助を強調し、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてと、うたっています。

 また、同3項では、「年金、医療、介護は社会保険制度を基本」とするとしており、それぞれ支払った保険料の範囲で給付する仕組みにし、自治体の一般会計からの独自の繰り入れをやめさせようとする意図が見て取れます。

 推進法ができる前から、市も国保については、社会保障制度とは答弁せず、「相互扶助の制度」と答弁し続けていますが、その方向を一層強化させるものです。

 また、推進法に基づいて設置された「国民会議」では、「国保の都道府県単位化」略して「広域化」を強力に推進しようとしています。

 2006年には、レセプト1件当たり30万円を超える医療費のうち、自己負担相当分の8万円を控除した額を都道府県内の全市町村が共同で負担する「保険財政共同安定化事業」が実施されました。これに合わせて、市町村間の医療費水準および所得水準の不均衡を調整するためや 地域の特別事情に対応するために、国保会計に交付される都道府県調整交付金を給付費等の7%から9%に引き上げ、あわせて、定率国庫負担を34%から32%に引き下げ、国の交付金の2%分を県に振り替えました。この改正によって、独自の繰り入れを行う都道府県が減っています。

 そして、昨年、国保法の改正で、2015年度から1件、1円以上、つまり、すべての医療費に拡大する恒久化が決められました。

 

 高すぎる国保料に苦しむ尼崎市と市民にとって、国保の広域化は、一見、歓迎されるように見えますが、単純にそう考えていいのでしょうか。2011年度の厚生労働省速報によれば、尼崎市も含めて、全国の自治体が一般会計から、3900億円の法定外の繰り入れを行っています。この独自繰り入れは、市町村の単独国保だからできるので、広域化ではできません。この単独繰り入れがなくなると、その分、保険料が高くなります。同速報によれば、2011年度の収支では、47%の保険者が赤字で赤字総額は600億円に上ります。そのうち、390億円が累積赤字です。広域化する場合は、この累積赤字を解消しなければなりません。そのためには、国・都道府県が肩代わりするか、市町村が一般会計で全額解消するか、保険料に上乗せして解消していくかの3つの方法しかなく、結局、保険料の引き上げを余儀なくされます。

 また、現在、国保料については、全県で、同一の保険料算定でない案も検討されているとも聞いており、尼崎市民の保険料が安くなると言える保証もありません。

 1984年退職者医療制度が実施され、退職者の医療費を現役時代の社会保険からの拠出で賄い、国の負担を減らしました。これを皮切りに、国の負担を県に振り替えたりもしてきました。国保会計に占める国負担は、全国平均で、1984年当時の50%程度から、2011年度では、25%程度に半減されました。また、地方交付税が削減される中、基準財政需要額が自治体の実質負担を総じて下回るなどもあり、自治体の財政を、より厳しくさせています。

質問

市長は、国保の広域化をどうお考えでしょうか。危惧するところはないとお考えですか。御答弁願います。

答弁

 国民会議報告書では、都道府県の役割強化と国保の保険者の都道府県移行の広域化について提言されています。

 その背景には、国民皆保険制度維持のため、国保財政基盤の安定化が優先課題となっており、特に、市町村国保については、被用者保険に比べ、①低所得者の加入が多い、②年齢構成が高い、③所得に占める保険料負担が重いといった課題が示されております。また、財政運営が不安定となるリスクの高い小規模保険者があることや地域ごとの保険料格差が非常に大きいといった課題もございます。

 こうしたことから、国民皆保険制度を維持するには、国保の都道府県単位の広域化は、避けて通れないものと考えますが、国保財政基盤の安定化や保険料に係る国民負担に関する公平の確保など議論をすべき事項も多いと考えております。

 また、推進法第6条では、健康保険や国保などに「原則としてすべての国民が加入する仕組みを維持する」とあり、わざわざ「原則として」との文言を入れており、世界でも、高く評価されている「国民皆保険制度の堅持」という言葉がありません。これは、大変危険です。国民皆保険制度を壊す意図が透けて見えます。政府が参加を目指す、TPPでも、国民皆保険制度が維持できなくなることが、全国の医療団体から、厳しく指摘されています。TPPも、推進法もともに、国保が担っている国民皆保険制度を壊そうとする流れが同じです。

質問

 社会保障制度としての国民皆保険制度は堅持されるべきであると考えますが、市長の認識をお聞かせください。

答弁

 国民健康保険制度が、国民皆保険制度の最終的な支え手として堅持されることは重要と認識しております。

 私は、この20年間、国保法の1条、4条をよりどころにして、市民のいのちを守る国民健康保険制度の適正な運営を求めてきました。特に、「一人当たりの国保料」が阪神間で最も高い時期には、市民とともに、署名活動にも取り組み、保険料引き下げを強く求め続けました。

 市は、2000年度に、世帯主の一部負担を3割から2割にするために繰り入れていた一般財源を保険料引き下げに使い、「一人当たりの国保料」が阪神間最高という汚名を返上しようとしました。しかし、阪神間の所得割、均等割、平等割料率を基に、同じ家族構成・同じ所得で比較すると、本市国保料が、阪神間で最高額であることを明らかにし、更なる引き下げ努力を求めてきました。また、6億円の赤字決算だった時、それを翌年の国保料引き上げ要因にさせないために、当時企画財政局長だった村山副市長に、市民の切実な生活状況を直接お聞きいただき、一般財源で赤字分を解消するよう求めるとり組も行いました。村山副市長が「市民生活の実態は、国保課から聞いていた以上に深刻だと受け止めた」といわれたときに、期待を強く抱きました。そして、赤字解消するために、4年間に分けて繰り入れるとの予算案が出されました。

 また、国保法第44条に基づく、一部負担金の減免制度の実施を求め、2004年6月に制定されました。しかし、ほとんど利用できないハードルの高いもので、「仏つくって、魂入れず」と批判。その後、国の基準より少し利用しやすくするために、2011年4月に改正されました。それでも、2012年度の適用実績は、わずか、3件であり、極めて不十分なのが実態です。

 また、国保会計の総収入に占める国庫負担割合の全国平均が、退職者医療制度実施前の1980年度に比べて、2007年度には、1/2以下になり、一人当たり国保料が、2倍以上に増えていることを示して、「国の負担割合の引き上げを求めよ」と質問。これに対して、「退職後に国保に加入した退職者の医療費は、働いていた時の被用者保険から、拠出されており、国の負担削減分はそれで賄われているので、求めるつもりはない」との答弁でした。本当にそうなのかと、国保会計決算に基づいて検証した結果、退職者の医療分としての診療報酬支払基金からの収入より、国庫負担削減額が大きいことが明確になりました。この事実を質問したことで、「国庫負担割合の引き上げを国に要望する」と答弁が変わりました。

 このように、市民の暮らしの実態、市民の直接の声と議会での質問を通して、不十分だとは思いますが、当局も改善に努力されてきました。

 また、現在、尼崎市が全国的にも高い評価を得ているヘルスアップ事業が市民と力を合わせて、取り組まれていることの重要性も承知しています。

 こういう経過を振り返り、私は地方自治の観点からも、市民に最も身近な地方自治体の果たす役割の大事さを実感しています。

質問

 国保の広域化は、市民の声が届きにくく、市民の生活実態などをつぶさに、反映させることに大変な困難が伴うと考えます。そういう方向に向かうことは好ましいとお考えでしょうか。答弁願います。

答弁

 国民会議報告書では、国保に係る財政運営の責任を都道府県としていますが、保険料の賦課徴収や医療費適正化のための保健事業などの業務は、市町村に残す『分権的広域化」を目指すべきとする考え方が示されております。

 また、国保の運営にあたっては、都道府県、市町村、被用者保険の関係者が協議する仕組みを構築することが求められております。

 いずれにいたしましても現時点では、具体的な個別法案が国会提案されていないことから、今後とも国等の情報把握に努めながら、市町村の市民生活実態が反映される制度となるよう適切に対応してまいります。

 

 厚生労働省の調査によると、

 1990年度の世帯当たり所得は、276.5万円で、国保料が155,934円。負担率は5.64%。
 10年後の2000年度の所得は、190.9万円で、国保料が148,083円、負担率は7.76%、
 さらに10年後の2010年度も所得は減り、20年前に比べて、51%の141.6万円、国保料は143,145円、 負担率が10.11%となっています。

 所得が減少し続け、国保料が上がり続けているのです。尼崎市の動向も全国と同様だと思いますが、実態は、全国平均より低い所得と高い保険料ではないかと推察しています。

 2012年度の全国の国保料の滞納世帯の割合は18.9%です。しかし、本市では、国保世帯、88,276世帯中、18,694世帯、21.2%が滞納世帯で、全国平均を2.3ポイントも上回っています。長期間の滞納による資格証明書は912世帯に発行され、医療機関の窓口では、保険による医療は受けられません。短期保険証が発行されているものの、窓口に留め置かれたままで、手元に国保証がない世帯が、この6月末時点で約4,000世帯、4.5%にも上っています

 現実に、本当に無保険の人、国保加入者であっても、実態として、無保険状態で切羽詰まった状況で、受診し、命をなくす人が出ていることが、医療機関から報告されています。

質問

 このような実態は、国保料が市民の負担能力を超えて高すぎることによるものと考えますが、市長の見解をお聞かせください。

答弁

 国保の医療費には、50%の国費及び県費が手当てされることから、国保料は、原則的には医療費の50%相当となっていますが、さらに国保財政の安定化と保険料の軽減を図るため、保険基盤安定制度や、保険者支援制度、財政安定化繰入金や高額医療費共同事業に対する国・県負担金など様々な支援制度が設けられております。

 滞納の要因は、様々な理由があると考えられます。先ほどもご答弁申し上げましたとおり、厳しい財政状況ではございますが、本市独自の対応として、一般会計からの繰入金を確保するなど、最大限、保険料の軽減に努めているところでございます。

質問

 また、国民健康保険制度が抱えているこのような問題を国民本位に改善することこそが政治の責任だと考えますが、市長のご見解をお聞かせください。

答弁

 市町村国保は、市民のいのちを守る国民皆保険制度の「最後のとりで」としての役割を担っているものと認識いたしております。

 一方で、国保の現状につきましては、今日の少子高齢化の進展や雇用環境の変化に伴い、退職した高齢者や無職者など、疾病リスクの高い人や保険料の支払い能力の弱い人を抱えるといったことから、財政基盤が脆弱であるという課題が顕在化してきております。今回の社会保障制度改革においては、将来にわたり、持続可能な国保制度を維持すべく、今後、具体的な個別関連法案が、国会提案される見通しであります。

 国保制度が、国民本位の制度として運営されるよう、国の動向を注視しつつ、市としての責任ある対応に努めてまいります。

 次に、高すぎる国民健康保険料と生活保護との関連について質問します。

 2012年度生活保護になった人の公的医療保険加入状況は、国保が61.4%、後期高齢者医療制度が9.4%、無保険の人が22.2%です。国保加入者と無保険の人で83.6%をしめています。私の経験からも、国保加入者ではあっても、期限の切れた短期保険証の人が多いと感じています。また、国保料を支払えず、受診できないまま、体調を悪くし、結局働けなくなり、生活保護にというケースに再々出会います。とにかく、「医者に掛かりたい」そんな切羽詰まった状況での相談が少なくありません。生命を守るための国民健康保険なのに、保険料が高すぎるために、結局、生活も健康も害してしまい、医療を受けるためには、生活保護にたよらざるを得なくなる、こんな構図を見ると、いったい何のための国民健康保険なのかと言いたくなります。

質問

高すぎる国保料が、生活保護世帯を生み出している実態があることについて、市長は、どうお考えですか。

答弁

 本市の国保料にあっては、低所得者に対する法定軽減や、一般会計から4億円の繰入により、保険料の上昇を抑制しているほか、本市独自の特別減免を講じるなど、様々な対策を講じております。

 また、被保険者からの相談にあたっては、丁寧な対応に努めておりますが、国保制度では対応できない場合などは、他の制度や生活保護制度の適用など、関係各課と連携する中で、それぞれのケースに応じて、適切に対応しているところでございます。

 なお、ご指摘の生活保護を受ける過程は、様々な実態があると認識しております。

質問

 無保険者の実態は、尼崎市を含めて、どの機関も把握していません。国民皆保険制度を担保する国保の運営者である自治体として、無保険者の実態を把握する必要があると考えますが、いかがですか。

 昨年6月の定例会で、無保険状態で、命を失う市民がいる事例を示して、市はどんな対策をとるべきと考えているか、それとも何もできないと考えているのかと質問しました。中浦局長からは、「無保険者の問題に関する国への要望についても検討していきたい」と答弁をいただきました。その後の取り組み状況をご説明願います。

答弁

 無保険者の実態を把握することは、国民皆保険制度を維持し、被保険者が等しく医療を受けるという観点からも必要であると認識しております。

 しかしながら、現状では、医療保険者のひとつである、本市が市民の現状を全て把握することには限界があることから、昨年6月の定例会でご意見をいただいた後、無保険者の解消対策について、尼崎市から提案し、市長会を通じ、要望を行ったところでございます。

 今後は、今回成立した共通番号法により、市町村国保と被用者保険の間で被保険者情報のやり取りが可能となるため、無保険者の減少に向けた活用方法について改めて国へ要望をしていきたいいとと考えております。

 推進法成立以降、昨年11月16日に、まともな審議もなく、わずか1日で、年金2.5%切り下げ法が強行され、2013年度予算案で、生活保護基準の6.5%引き下げが強行され、この8月から実施されています。また、生活保護を申請させにくくする、いわゆる「水際作戦」を制度化するなどの生活保護法案の大改悪が、提出されました。これは、審議未了で廃案になりました。しかし、同法案が再度提出されることも十分考えられます。

質問

 生活保護基準の引き下げや、廃案になった、水際作戦を制度化する生活保護法改悪法案に対する市長の見解を伺います。

答弁

 生活保護基準につきましては、生活扶助の基準と一般低所得世帯の消費実態との均衡が適切に図られているかどうかといった観点から検証された、先の社会保障審議会生活保護基準部会の検証結果を踏まえ、厚生労働大臣が、生活保護受給者の年齢や世帯人員、地域差による影響を調整し、物価の動向を勘案して定めています。また、実施に際しては、3年間かけて段階的に行うなど、見直しによる影響を一定程度抑制して行われるものでございます。

 今後とも、生活保護制度が法の精神の下、最後のセーフティーネットとして機能するよう、基準額が適切に定められるのであれば、引き続き本来の役割を果たしていけるのではないかと考えております。

質問

 国民健康保険は、推進法にある、相互扶助・助け合いの制度・相互共済・応益制度ではなく、現在の国保法、の「社会保障及び国民保健の向上に寄与することを目的とする制度」たるにふさわしい内容に充実させることこそ必要だと考えます。これに対する市長の見解をお聞かせください。

答弁

 今回の社会保障制度改革は、少子高齢化の進展など今日的な社会情勢を踏まえながら、将来を見据え、受益と負担の均衡がとれた持続可能な制度の確立を目指すものであり、国保法の目的は、変わるものではございません。

 今後、国の個別法案に基づく、具体的な内容や本市の特性を踏まえ、市民の身近な医療保険として、低所得者世帯への対応など、市として果たすべき役割を検討しながら、引き続き国民健康保険事業の健全な運営に努めてまいります。

 医療では、広域化などの国保改悪に加えて、70歳から74歳の窓口負担を1割から2割に、入院時の給食の患者負担引き上げなど、保育分野では、規制緩和による質の引き下げなど、介護保険では、要支援1、2の保険給付からの除外、デーサービスの削減など、年金では、支給額の引き下げ、開始年齢の引き上げなど、市民の暮らしをますます大変にする社会保障の大後退計画が、全分野にまたがっておこなわれようとしています。それに、最後のいのちの砦でもある、保護基準額の引き下げ、申請させにくくする水際作戦計画など生活保護制度の改悪は、人間の尊厳をもつぶすものです。

 社会保障制度の水準引き下げは、政治悪の最たるものです。

 議員の皆さん、市長、市職員の皆さん、いのちと安心の暮らしをまもる社会保障制度を後退させるのではなく、向上させられるように、力を合わせようではありませんか。心から訴えて、私の質問を終わります。ありがとうございました。

終わり

第5回生活保護問題議員研修会に参加する

「岐路に立つ生活保護、どう変わるか、どう変えるか」をテーマに第5回生活保護問題議員研修会が、8月23日(金)24日(土)の両日、名古屋市中小企業振興会館吹上ホールで開催され、尼崎から田村征雄・真崎一子・徳田稔市議が参加しました。

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  初日は神奈川県立保健福祉大学の岩永理恵助教講師が、生活保護基準切り下げの問題点をどう考えるかと報告、釧路社会的企業創造協議会の櫛部武俊副代表が、 生活困窮者支援はどうなるのか、受給者と仕事起こしの取り組みを紹介、野洲市市民生活相談課の生水裕美専門員が、行政のワンストップサービスによる生活困 窮者支援の取り組みを報告、生活保護利用当事者から実態報告が行われました。

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  2日目午前の分科会は徳田市議が「生活保護なんでもQ&A」、田村市議と真崎市議が「刑務所から見た貧困とメンタルケア・DV被害者支援」の分科会に参 加。午後は岐阜経済大学経済学部の藤井えりの専任講師が「生活保護と地方財政」と題して、国保制度の不備が生活保護の財政を圧迫していると報告しました。 まとめでは生活保護問題対策全国会議代表幹事の尾藤廣喜弁護士が「ナショナルミニマムの生活保護制度であることを認識し、社会保障全体の大きな後退に反対 する運動と連帯し、さらに取り組みを強化しよう」と訴えました。

尼崎社保協が生活保護問題の緊急学習会を開く

社保協学習会2  社保協学習会1

 8月から生活保護費削減が始まりました。削減中止を求める運動を強めようと、尼崎社会保障推進協議会は17日、生活保護問題緊急学習会を8月17日(土)午後、旧尼崎労働福祉会館で開き、58人が参加しました。尼崎生活と健康を守る会の早川進事務局長代行が、「生活保護バッシングが強められるなか、この生活保護費が3年かけて、7.3%切り下げられ、特に子育て世帯の減額が大きい事を強調。「国は切り下げ理由を物価が下がっていると言っているが、下がっているのは生活保護者には関係ないパソコン、冷蔵庫などの電化製品で、逆に電気代や生活必需品は上がっている。これでは削減の理由にはならない。みんなで審査請求を行って、保護費引き下げをやめさせよう」と報告をしました。

 参加者から「審査請求はどのようしたらよいのか」などと質問が相次ぎました。

 尼崎社保協ではこの学習会の案内ビラを、8月分の保護費が支給される8月2日(金)朝、市役所前でビラ配布して宣伝を行ってきました。

 この学習会には日本共産党の松村ヤス子・真崎一子・徳田稔・川崎敏美・松澤千鶴市議が参加しました。

(8月21日付「しんぶん赤旗」)

生活保護問題・緊急学習会(主催 尼崎社会保障推進協議会)を開きます。

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生活保護問題・緊急学習会(主催 尼崎社会保障推進協議会)を開きます。

今年8月から生活保護費の減額が始まり、3年かけて7.3%の削減が行われます。この生活保護費の減額は、社会保障切り下げの突破口となっています。いま審査請求の取り組みも呼び掛けられています。生活保護問題緊急学習会へご参加ください。

 

2013年3月議会 代表質疑 松村ヤス子議員:教育問題 地域循環型経済

2013年3月5日 日本共産党議員団 松村ヤス子

 日本共産党議員団の松村ヤス子です。議員団を代表して2013年度予算案等について質疑を行います。

 20数年前に、始まった自民党型の「構造改革路線」は、政権交代した民主党政権にも引き継がれ、市民生活を苦しめてきました。昨年末に復活した自民・公明の連立内閣は、経済財政諮問会議を復活させ、さらなる「構造改革」で、市民に「一層の痛み」を押し付けようとしています。

 尼崎市は、三菱・住友・パナソニックなどの大企業と中小零細事業所が混在するまちです。市内企業はおよそ1万社ほどですが、負債額1000万円以上の倒産件数は、2010年度63件、2011年度75件、2012年度12月までで63件です。年度末までには、前年度を超えることも考えられます。それにもかかわらず、中小企業等金融円滑化法が今年度末で打ち切られ、中小企業の倒産が心配です。

 労働者派遣法を製造業にも適用し、正規雇用から不安定低賃金労働者への切り替えが進められ、市民税課税所得200万円以下の層が増加、700万円を超える層は減少し続けています。

 さらに、パナソニックPDPでは、派遣切り、期間社員・正規社員のリストラで3,000人近くいた従業員が1,000人を切っています。住友などでも社内下請業者を丸ごと切捨ててもいます。

 パナソニックで派遣切りされた労働者が、手持ち金もなく、体調を崩し、私どもに駆け込んできたことは以前にも述べましたが、その後、元パナソニックの正社員が運転するタクシーに乗り合わせました。彼は、強烈なリストラ攻勢で「やめます」と言わざるを得なかったと話してくれました。

 また、先日、零細業者の話も聞きました。塗装業者は、仕事が週に二日ぐらいしかない、支払いが40日後なので、すぐに貸してもらえる制度融資があればと思う、消費税が、10%になったら商売やめるしかない、国民年金では暮らしていけない、ボルト加工の下請け業者は、単価が1/3に切り下げられ、電気代を考えたら、採算が合わないなど、本当に切実な実態でした。

 生活保護基準以下の低年金高齢者が多く、高齢化が進めば生活保護が増え、派遣切りやリストラのやり放題では、生活保護が増えるのは、当然です。実際、2002年度2.3%だった保護率が、2012年12月時点では、実に4%になっています。

 まさに、市民の貧困は、自公政治が原因です。そのうえ、生活保護基準を引き下げようとしています。要保護家庭の児童・生徒は4.4%、準要保護家庭では、22.5%に上っています。近隣都市と比べてずば抜けて多く、生活保護基準引き下げは、学習環境をも、さらに厳しくします。

 市民の暮らしを中心に、希望の持てる尼崎市を目指さねばならないとの立場から、新年度予算や、市長の公約や市財政に関連して質疑していきます

まず、教育問題です。

 市長は、子育て支援に力を入れて、尼崎市の体質を変えたいとの方針を打ち出しています。
都市の体質転換を目指すとするなかで、教育問題は、極めて大きな課題です。

中学校給食に関連して質問します。

 稲村市長は、温蔵庫を設置し、暖かいご飯と汁ものが提供できる注文弁当方式に、とり組んでいます。

 その結果は、どうでしょうか。

 昨年10月15日から日新中、大庄中、園田中の3校で始めた注文弁当の経過をみると、利用率は、10月4.1%、11月1.7、12月1.5、1月0.8%と低下し続けています。1校で1個のみ注文という日が11月4回、12月1回、1月3回、2個のみは10月1回、11月5回、12月も5回です。

 生徒の好みのメニューを重視する、ご飯や汁物を暖かくするなど、改善し、10%を目指すとしたものの利用率は低くなお、下がり続けています。

 中学生は、多感な時期です。目立つ行動に走る生徒もいますが、多くの生徒は、ほかの生徒と違うことはしたくない、みんなと一緒でありたい、そのほうが安心感を持てる、そういう心理が働くものです。

質問

 さまざま改善しても、注文弁当は、極めて少数派で、注文数が減少する理由はここにあり、中学生の心理をとらえていないと考えます。教育委員会はどう見ていますか。

 また、19中学校で実施すれば、設備投資に、約1,300万円かかるとのこと。子どもの心理に配慮できない対策では、この費用が無駄になる危険性があると考えます。その恐れはないと言い切れますか。答弁願います。

答弁

 平成20年度から平成23年度まで実施しておりました中学校弁当は、業者の事業所向け弁当をそのまま活用していたため、献立内容は大人向けのものであり、また、弁当容器が大きくて教室へ持っていくのが恥ずかしい、という生徒の声がございました。

 そこで、昨年10月から3校で実施しております中学校弁当事業は、弁当容器は家庭から持参する容器とかわらないような工夫をするとともに、教育委員会の管理栄養士が、生徒ニーズも取り入れながら、栄養バランスを考えた献立を提供する事業としてリニューアルしたものでございます。中学校弁当事業を実施している3校の全生徒を対象に、事業開始後の12月にアンケート調査を実施しました。 その中で、利用したことのない生徒に対して、その理由を尋ねたところ、「家庭からの弁当を持参するため」という回答が65.1%で最も多く、続いて「当日の申し込みができない、申し込みが面倒なため」という回答が13.0%でございました。「買うのが恥ずかしいため」という回答は0.5%にすぎませんでしたことから、教育委員会といたしましては、今後も生徒ニーズを十分把握した上で、生徒が利用しやすいよう改善を行い、中学校弁当事業を推進してまいりたいと考えております。

 それに、中学校給食を実施しないのが、近隣では、尼崎市だけになりそうです。芦屋市が、2015年度から順次自校方式での実施を決定。神戸市は、「検討会議」が「中学校給食の導入が望ましい」との意見をこの3月にまとめる見通しとのこと。伊丹市では、4月の市長選で、出馬予定の各候補が「中学校給食実施」を公約に掲げているとの報道があるなど、中学校給食未実施の自治体が、実施へと動き出しています。

質問

 「中学校給食を実施できない」は、「現役世代の転出を防ぎ、転入を促進させる」との市の方針である「都市の体質転換」の阻害要件になると考えますが、いかがですか。中学校給食の実施を決断すべきです。答弁を求めます。

答弁

 先ほどもこ答弁申し上げましたとおり、中学校弁当事業の開始後、実施校の全生徒を対象としたアンケート調査の結果によりますと、中学校弁当を利用しない理由として、65.1%の生徒が、「家庭からの弁当を持参するため」と回答しています。また、PTA連合会中学校部会による中学校弁当試食後のアンケート結果では、「弁当を持たせたい親の意見も尊重してほしい」「弁当作りは苦になっていない」というご意見もいただいております。

 これらのことから、中学校給食を実施しないことがただちに都市の体質改善に対する阻害要件になるとは考えておりませんが、成長期の中学生にとって、栄養バランスの取れた食事を摂ることは重要なことでありますので、食育の観点からも、中学校弁当事業の定着を図ることに努めてまいります。 また、中学校での昼食のあり方についても研究を進めていく必要があると考えております。

次にいじめと体罰についてです。まずいじめ問題です。

 滋賀県大津市のいじめ自殺、大阪市立桜宮高校顧問の体罰による生徒の自殺は、大変な社会問題となりました。児童・生徒の自殺は二度とあってはなりませんが、その後もいじめによる自殺は起こりました。

教員はもちろんのこと、社会全体して防止策をしっかり考えることが必要です。

 いじめ自殺があった、大津市教育委員会の当初の認識は、大変不十分であり、事実を把握し、明らかにしようとする姿勢でなかった、学校、教育委員会の対応に厳しい世論の声がわき上がったのは、当然です。

 いじめについては、遊びだとか、ふざけだとか、からかい だとかと軽く受け止める風潮、それに、いじめられるほうにも責任があるとか、いじめられないように、もっと強くなれといった声さえよく聞かされてきました。

 大津市では、第3者機関が設置され、生徒などへの聞き取りなども行い、いじめによる自殺だと結論が出されました。

 まず、いじめ問題で、はっきりさせなければならないことは、「いじめ」は人権侵害であり、暴力であると、教師も、親も、そして、子どもたち自身が認識できるように、することです。
いじめから、子どもたちの命、心身を守り抜くことを第1義に考え、その要因を取り除くために全力を尽くすことが必要です。学校での事故などの裁判を通して、「学校は子どもを預かる以上、子どもの安全に最大限の配慮を払う義務がある」と学校における「安全配慮義務」が定着しつつあります。

質問

 人権侵害と暴力である「いじめ」の放置・隠ぺいが、「安全配慮義務」違反にあたることを明確にし、学校と教育行政の基本原則とすべきと考えますが、教育委員会の考えをお聞かせください。

答弁

 児童生徒の事故の危険性を予見しながら、最大限に安全・安心を図ることが安全配慮義務にあたると認識しております。

 そのため、学校は、常に事故発生への危機感を持つとともに、日常的に児童生徒の言動に関心を払い、いじめ等の問題行動の早期発見・早期対応に努めることが重要であります。

 本市におきましては、学校がいじめを認知した場合には、速やかに教育委員会に報告することとし、教育委員会もそれを受け、いじめの解消に向けて積極的に指導・支援しているところでございます。

 今後も、いじめのない学校づくりに向けて、学校と教育委員会が十分に連携を図ってまいります。

「いじめ」は大人にわからないようにおこなわれ、被害者もいじめられていると認めない場合が少なくありません。それだけに、「いじめかな」と少しでも疑われる場合は、全教職員でその情報を共有し、子どもの命最優先で速やかに対応することが必要です。そして、保護者と教職員のコミュニケーションを密にし、大人たちが心配し、力を合わせている姿を示すことは、子どもたちを勇気づけます。そして、子どもたちへのアンケートは、無記名で、「いやなことをされたことがあるか」など、いじめの内容を具体的に尋ねるなどの方法が効果的だといわれています。
些細なことに見えても、様子見せず、全教職員、全保護者に知らせることが、子どもの命を守るために必要です。

 また、「いじめ」に対応するだけの時間が足りないと7割の教員が答えているとの新聞報道から見ても、教師の多忙化を解消する取り組みが必要です。

質問

 子ども一人一人を丁寧にみることができる少人数学級を進めることが大事であり、義務教育全般で、まず「35人学級」を早期に実現すること、養護教諭の増員、カウンセラーの増員などに取り組む必要があることを文科省や県教委にも強く要請する必要があると考えますが、いかがでしょうか。

答弁

 いじめ等子どものサインを見逃さないためには、教職員一人ひとりが、その兆候をいち早く把握するとともに、組織全体で情報を共有することが大切であり、各学校では校長の指揮のもと、安全で安心した学校生活が送れるよう日々取り組んでいるところでございます。
 そのためにも、子どもたち一人ひとりを丁寧に見ることができる体制整備が望ましいと考えており、本市教育委員会といたしましても、文部科学省や県教育委員会に対し、「全国都市教育長協議会」や「兵庫県都市教育長協議会」等を通して、35人学級など少人数学級の制度化や加配教員の増員、また、スクールカウンセラーの配置の拡大などの要望をしているところでございます。

 次に子どもたちが抱えている「ストレス」の背景に教育自体が、競争的で管理的になっていることを考える必要があります。

 子どもたちが、友達日との遊びを通して、トラブルを解決しながら、人間関係を学ぶ、そういう時間を子どもから、奪っている競争教育の改善が不可欠です。

 競争や忙しさは、人間をバラバラにして孤立させます。孤独では、本音で話すこともできません。ユニセフが2007年に発表した先進工業国24か国の調査結果では、「孤独を感じる」と答えた15歳の子どもは、24か国平均では、7.4%、フランス6.4、イギリス5.4、オランダ2.9に対して、日本では、29.8%です。

 競争教育では、「できる子」「できない子」に振り分けられ、劣等感を持つ子どもがふえ、「わかる喜び」や「みんなで学ぶ楽しさ」を得ることができません。他人からの評価が気になり、「自己肯定感情」が低いことも「いじめ」の要因になります。

質問

 お尋ねします。

 競争と管理の教育から、子どもたちを解放し、子どもたちから、さまざまな不安を取り除き、子どもたちが人と人との間で、生きる喜びを感じられる教育と社会にすることがいじめ問題を引き起こさないために強く求められると思いますが、いかがでしょうか。

答弁

 学校教育において、過剰な競争や管理は好ましくないと考えておりますが、子どもたちが集団で学習する中で一定の秩序を保つことや、目標に向かってお互いに切磋琢磨したりすることは、必要なことだと考えております。

 また、子どもたち一人ひとりが授業の中で「わかる喜び」や「みんなで学ぶ楽しさ」を味わうことが、自尊感情を高めることや自己達成感にもつながるものと考えております。

 あわせて、道徳の授業や「こころの教育推進事業」等の充実を図り、子どもたちが友だちを大切にし、望ましい人間関係を育むことで、一人ひとりの子どもたちが生きる喜びを感じられる教育を充実させることは、いじめをなくていくことにもつながっていくものと考えております。

次に体罰についてです。

 大阪市立桜宮高校でのバスケット部の顧問による体罰が生徒を自殺に追い込みました。
スポーツ指導者だけでなく、子どもを強いチームの中で鍛えてほしいと願う保護者の中にも、体罰容認論があることは、過去から指摘されてきたことです。

 会派の早川議員は、これまでも、学校における体罰について、その事実を示して議会で繰り返し、取り上げてきました。

 2000年6月議会では、自公連立与党から教育勅語の復活、再評価、体罰を肯定する考え方が出されていることを質問。

 当時の小林教育長は教育勅語容認問題や体罰推進の発言については、改めて確認されるまでもないこと。と答弁。

 2004年6月議会では、体罰の定義と報告基準について質問。

 小林教育長は、「体罰の定義については、なぐる、けるなどの身体に対する侵害を内容とする懲戒や長時間の正坐や食事を取らせないなどの間接的に肉体的苦痛を与えるような懲戒である」「体罰は、生徒指導上不可欠な信頼関係を侵害する行為であるという認識のもとに、今後とも体罰のない明るく楽しい学校づくりに努めていく」と答弁。

 2006年6月議会では、「体罰は、熱心な指導の結果であるとか、あるいは指導が行き過ぎたものという考え方で対処しているのか」と質問。

 保田教育長は、「学校においては、暴力行為や授業妨害、指導に従わない場合であるとか、落ち着いた学習環境を保持するために、厳しい指導が避けられない不可避な状況もある。しかし、いかなる状況においても、体罰は人権を侵害し、信頼を失う行為であり、教育的な効果は見いだせるとは考えていない。

 体罰防止については、日ごろから校長を通じて指導しているところであるが、さらに、全教員に徹底を図るために、すべての学校において、事例をもとに研修を行い、教員の意識向上に努めている」との答弁。

 2009年12月議会では、教育委員会として体罰案件について、報告の取り方を改め、問題のあった学校だけでなく、すべての学校が体罰を行わない指導とあり方を模索すべきと質問。

 当時の村山教育長は、学校長から体罰にあたるという認識を持ったものと、体罰でないかと保護者や児童生徒からの訴えや報告があれば、教育委員会は事実関係を調査する。どのような理由であれ、体罰事案であると判明すれば体罰を許さないという強い姿勢のもと厳正に対応し、体罰の一掃に向け指導していく。との答弁。です。

 さて、去年の4月から今年1月までの体罰にかかわる緊急調査結果が、今年2月に教育委員会から報告されました。教職員からの報告や児童生徒及び保護者等からの情報等により、市立小・中・高校と特別支援学校の校長が把握したものとのことです。

それによると、6中学校で教師9人が計24人の生徒に体罰をし、2人の生徒がけがをしたとあります。繰り返し、議会で、質問をしてきましたが、結局根絶されていないのです。

質問

 体罰を根絶できなかったのは、どこに原因があるとみているのか、答弁願います。

答弁

 今回、本市が実施した体罰調査の状況から見ますと、「教員としての過剰な指導者意識をもって指導にあたり、冷静さを欠いていたのではないか」、また、「生徒の個々の心情や立場への理解を欠く、一方的、画一的な行動に出ていたのではないか」、さらに、「校内に体罰を容認するような雰囲気があった」などの原因が考えられるところでありますが、今後、より詳細に分析を行っていきたいと考えております。

 市教委の調査の後、2月13日に、文科省が、中高の全生徒および小学校と特別支援学校の全保護者にアンケート用紙を配布し、封筒に入れて回収するよう県教委に、求めました。

 文教委員会では、田村議員が「全児童・生徒にアンケート調査を」と求めましたが、受け入れられず、文科省の指示で、おこなわれることになりました。

質問

 今回文科省からアンケート調査を求められたことに対して、市教委のこれまでの事実把握に関する取り組みをどのように自己評価しているのか、答弁願います。

答弁

 大阪市内の高等学校で、生徒が運動部活動中に体罰を受けた後、自殺をした事件を、本市では、重く受け止め、体罰調査の必要性を認識しておりました。

 文部科学省からの、児童生徒及びその保護者を対象としたアンケート調査が行われるという報道がありましたが、具体的な時期や内容については、明らかになっていなかったことから、事の重大性を鑑みて、まずは1月23日に臨時校長会を開催し、校長が把握している事案について、文部科学省に先んじた形で、独自の調査を指示したものでございます。

 独自調査の主眼は、本市の体罰に関する状況の把握とともに、本市の体罰に対する重い受け止めを示し、体罰禁止の周知徹底を図るために実施したものでございます。各学校においても、教職員の意識改革や、体罰によらない指導の重要性についての理解を深めることができたと考えております。

 体罰による指導は、本来の指導ではありません。児童・生徒の思いを受け止めることから始めなければと思います。

 体罰では、ありませんが、私が産業高校2年生の時、機械科で私一人だけが女子だったことで、精神的に疲れていた時、担任に相談したいことがあり、放課後その旨申し出たところ、「今日は忙しいから、また今度」と受け入れられませんでした。翌日、学校に行くふりをして、三重県の叔父の所に家出しました。思いを聞いてもらえなかったことで、担任への反発、一種の抗議行動でした。しかし、高校卒業後、30数年たってのクラス会で、同級生から、「俺が、何とか卒業できたのは担任がいつも俺が悪いほうに行かないかと心配して見てくれていたおかげだ」と言っているのを聞き、担任は、生徒の状況をよく見て、対応していたのだと知りました。

 この経験から、暴力という手段でなく、児童・生徒の内面にどこまで教師の思いを伝えられるか、どこまで心を開かせるかが大切だと思っています。

質問

 そのためにも、生徒に向き合う先生の人数を増やすことと、教師には、力づくでの指導でなく、生徒の心を開かせ、思いを聞き出し、受け止める能力を高めることが必要です。教師の指導能力向上にどのように取り組んでいるのかお聞かせください。

答弁

 各学校においては、児童生徒理解を深めるため、教職員間で、児童生徒の情報の共有を図るとともに、人権研修やカウンセリングマインド研修等を実施しております。

 また、教育委員会といたしましては、教員の資質向上のための取組みとして、経験年数や役職に応じた研修、教科の指導力向上のための研修、そして、児童生徒理解のための研修等を実施しております。

 特に、児童生徒理解のための研修につきましては、「相手の心に寄り添う聴き方」や「児童生徒、保護者、教師との信頼関係の構築」等の内容で実施し、教員の資質向上、指導力向上に努めているところでございます。

 今後も、児童生徒の内面に対する共感的な理解に基づきながら、一人一人の特性や状況に応じた適切な指導を推進してまいりたいと考えております。

次に高等学校通学区域再編に関連する教育委員会の姿勢についてです。

 総合選抜制から尼崎1学区制になり、さらに、2015年度から、全県5学区の大学区制になります。尼崎の保護者から学区拡大の要望はなかったとのことです。それだけに、学区拡大決定までの市教委の県教委への対応に、私は、極めて大きな怒りに近い、不満を感じています。

 「進学できる学校の範囲を広げて、学校選択の自由度を高める」との意図からの「学区拡大」だと承知しています。しかし、学区を拡大すれば、高校の定員数が少ない西宮の生徒が尼崎の高校を受験し、尼崎の生徒が弾きだされると心配する声、子どもにも保護者にも大きな負担が出ると心配する声を教育委員会の職員からも多くお聞きしました。

 その心配を受けて、「高等学校通学区域再編に伴う進路対策事業」つまり、学区拡大で受験競争に負けないように対応する「進学塾」のような取り組みをする予算が計上されました。親も生徒も現場の教師もそして教育委員会も心配している問題に対する新規施策です。

 先に、競争的・管理的な日本の教育自体が子どもたちのストレスを大きくし、いじめ問題や体罰問題の背景にあると指摘しました。その競争教育を加速させる学区拡大を容認しながら競争に負けないようにとの事後対策です。

 市教委は、2011年9月末に、学区拡大にかかわって、県教委に3項目の要望を出したとの報告もありました。それも、尼崎市の生徒や保護者が抱く不安に対する事後対策です。

 県内では、明石、豊岡などの市教委は県教委に明確に学区拡大に反対の意思を表明しました。しかし、尼崎市教委はそうはしませんでした。しなかったのは、正式には、学区拡大を評価したことと同じです。

 私は、市教委の県教委に対する従順さに、誰のための教育委員会なのかと疑問を持っています。尼崎の子どもたちと正面から向き合っているのか、上ばかり見ているのではないか、そんな思いです。

 私は、厳しい受験競争に勝ち抜くことが、本来の教育目的ではないと考えます。もちろん、人生を豊かに、生きるためには、教育は欠かせません。人生には、さまざまな困難がつきものです。そういう時に、どう生きるか、どう考えるか、困難を抱える人がいれば、どう支援できるか、連帯して生きるために様々な知恵を出しあい、共に生きる力を強くするためにこそ、教育が必要です。

 私が、産業高校に入学し、社会科の最初の授業で、先生が「君たちは何で勉強するのか。君たちのお父さんやお母さんは微分や積分や化学の反応式を今でも覚えているか。英語が喋れるか。そうでなくても、一生懸命働いて、君たちを育てているではないか。君たちは、何のために、高校に入学して勉強するのか」と問われました。答えがわかりませんでした。その先生は、「若いときに、いろんな科目を勉強して、しっかり、脳みそを鍛えることが大事だと先生は思う。人生には、いつ、どんな困難に出会うかわからない。そんな時に、どうすれば良いか。どう解決するか、君たちのように若いうちに、いろんな勉強をして脳みそを鍛えることにより、解決できる力をつけることができるのだ」といわれました。

 また、物理の最初の授業では、「物理とは書いて字のごとし、物事には、理屈がある。道理がある。それが何かを見つけたり、考えたりする力をつけるのが物理を勉強する事なんだ」と言われたことも忘れられません。

 53年前の高校1年生の時に、受けた最初の授業での先生方の言葉には、競争に勝つことが目的だという思想が全くありません。これら、先生の言葉の中にこそ、教育の真の目的があると私は今も思っています。

 尼崎の子どもたちが、友達と協調しながら、一緒に成長していこうと連帯の中で学ぶ喜びを感じられる教育、そのために、少人数での丁寧な教育、自ら考え、自ら課題を解決する力を養い、人格成長を促し、自己肯定感情と合わせて、他者への思いやりを育てることこそが教育の大切さです。

 それに支障をきたすような制度改正等が提起されれば、それこそ、体を張ってでも、子どもたちを守る姿勢が求められるのが教育委員会ではないのでしょうか。

 学区拡大に異論を言わず、事後対策の実施で対応する姿勢は、本当に子どもたちのための教育委員会の姿勢とは思えません。

質問

 市教育委員会は、保護者も、教師も何よりも生徒が心配するような学区拡大になぜ、反対する取り組みをしなかったのでしようか。

 また、学区拡大の何を評価したのか、それは、市教委として、受験対策を講じる予算まで計上しなければならないほどの弊害が出ることを承知の上で、それを上回る効果が認められるとしての評価なのか、説明願います。

答弁

 県教育委員会が平成24年12月20日に公表いたしました「新通学区域に係る公立高等学校の入学者選抜の改善について」は、生徒によっては行きたい高校の選択幅が広がること、それぞれの高校がなお一層の特色化・魅力化に向けて努力すること等から、一定の評価ができるものと考えております。

 今回の制度変更は第2志望が志願変更できることにより、「その他校希望」に変わる一定の役割を担うとともに、「その他校希望」による遠方への通学の不安が解消されるものと理解しております。 ご指摘の「高等学校通学区域再編に伴う進路対策事業」につきましては、1学期と2学期に中学3年生を対象とした2回の学力調査を実施し、生徒自身が自らの学習課題やその対策を明確に把握することで、夏季休業中や放課後等に学習会を実施し、その後の進路目標に向けた自主的、計画的な学習につなげていこうとするものであります。合わせて、各中学校における評価の検証を行い、進路指導の充実を図るものであり、これらの取組みを通して本市の中学生の学力向上に効果が上がるものと考えております。

次に、学力向上策についてお尋ねします。

 全国共通学力テストの結果からも、「尼崎市は教育水準が低い」と言われ続けてきました。学力向上クリエイト事業に取り組み、基礎基本は全国平均に近づきつつあると説明されています。基礎基本こそ大事あり、それをベースにしてこそ、活用力・応用力を高めることもできます。競争に打ち勝つためでなく、心豊かな人生を送る力をつけるためにこそ、活用力・応用力を向上させることが必要だと思います。そのためには、一人一人の児童生徒に目が向けられる教師集団でなければなりません。学校現場は、主体的に学力向上に取り組むのに必要な人的配置を求めていると聞いています。

質問

 学校現場から、学力向上のために求められている人的配置は、どの程度満たされているのか答弁願います。現場の要請に応えるべきではないかと思いますが、いかがですか。

答弁

 義務教育における教員は、県費負担教職員であることから、学力向上に係る人的配置につきましても、基本的には、県教育委員会からの加配教員によるものであると考えております。

 具体的には、現在、新学習システム推進教員が小・中学校に配置され、35人学級の実施や教科担任制、少人数指導に携わっており、また、児童生徒支援教員が配置され、支援を要する児童生徒にきめ細やかな学習指導や進路指導を行っております。

 学校現場からの少しでも多くの教員の配置を行ってほしいとの要請を受けて、本市教育委員会も県教育委員会に対して現状以上の加配教員を配置するよう要望しているところでございます。

 一方、本市独自の学力向上に係る対応として、学力向上クリエイト事業の中で、指導補助嘱託員を小・中学校に派遣しておりますが、人数に限りがあり、派遣校数は希望の半数程度となっております。

 また、派遣されなかった学校に対しましては、大学生等の補助員の派遣や、予算面での支援などを通して、総合的に各学校に応じた学力向上を支援しているところでございます。

これで第1問目を終わります。

第2回目の登壇

 都市の体質転換と言いながら、財政上の理由で、中学校給食に取り組めない、学力向上策に必要な人的配置もできないなど、必要であってもできない、こんな尼崎市になぜなったのでしょうか。

 尼崎市議会議員の旅費不正使用事件が発覚し、市民の力で議会は、解散に追い込まれ出直し選挙となったのが20年前の1993年でした。当時の総合計画は、第4次全国総合開発計画に基づき、「にぎわい創生あまがさき」と銘打ち、阪神尼崎駅から市役所周辺までをシビックゾーンと位置付け、駅前を順次再開発する計画が盛り込まれ、公共事業推進をきわめて強く押し出した計画でした。駅前を開発し、「都市間競争」に勝ち、「税源の涵養」に資すると市幹部からどれほど説明されたことでしょうか。

 しかし、出直し選挙の1年半後に阪神淡路大震災が発生。築地・戸ノ内などでおこった液状化の怖さを目の当たりにしました。被災市民は仮設住宅が建設されるまで、サンシビックや学校体育館での避難所生活を余儀なくされました。その震災から1週間後でした。避難所では、夜も眠れず、余震におびえている市民がいるにもかかわらず、阪神尼崎駅北側の市バス乗り場の上部を覆う、人工地盤の工事契約が三菱重工と交わされました。こんな時に、急がなければならない工事なのかと、大きな疑問を感じ、契約案件には賛成できませんでした。市財政を圧迫している駅前開発事業の先駆け的な契約でした。

 阪神尼崎駅北側・中小企業センター東側の立体遊歩道は国道2号を北に渡ったところで切れていますが、もともとは、総合文化センターまでつなぐ計画でした。庄下川の西側、国道2号の南北にそれぞれ再開発ビルを建設し、総合文化センターと二つの再開発ビルと人工地盤の公園を立体遊歩道・空中回廊でつなぐのが阪神尼崎駅北側の開発計画でした。その開発事業のタネ地として大和銀行跡地も土地開発公社に買わせ、多大な借金と転売での損失を生みました。総合計画によって進められた開発事業に多額の財政支出をする一方で、公立保育所は、物干しざおを階段の手すりの代用にする、雨漏りはする、トイレは臭い、雨が降れば割れている樋から、雨水が噴き出る、あちらこちらガムテープで補修している、これが、党議員団が調査した公立保育所の実態でした。

 1995年の震災後、全国の自治体では、学校耐震化を進めていましたが、尼崎市は駅前開発を優先し、学校耐震化には手を付けませんでした。

 結果として、今になって学校耐震化を急がざるを得なくなり、中学校給食はじめ教育予算充実の大きな障害になっています。

 駅前開発が今も深く大きな財政上の傷あとを残しており、それを進めてきた当局と議会の責任が問われます。

次に、地域循環型経済に関連してお尋ねします。

 地域内で人とお金が循環する「地域循環型経済」は市長の選挙公約です。私も議会で何度か取り上げてきました。

 大店舗法を廃止し、大店立地法の成立以降、大型店の出店が相次ぎ、市内の個人商店、市場、商店街が大打撃を受けました。市民が市内で消費したお金が、繰り返し、市内を循環していた構図が崩され、お金は市外の本社へと流れ、市内循環が低下し、市税収にも影響してきました。市場や多くの小規模商店街は、再興不能に近い状況になっています。市民の消費行動が対面販売方式から離れていることは事実であり、市民の消費行動を変えて、市場商店街に元気を取り戻すことは、かなり厳しいと思えます。

質問

 市長が、地域循環型経済を目指すと公約された理由をまずお聞かせください。また、地域循環型経済を目指すために、どういう点に力を入れて政策化しているのかお尋ねします。

答弁

 本市は、交通アクセスに恵まれ、多くの産業が息づくまちです。

 私は、こうした尼崎の強みや魅力を活かして、コンパクトで環境や経済、また社会的にも持続可能なまちづくりを進めるためには、地域内におけるヒトと経済の好循環が重要であると考えたものでございます。

 その地域循環型経済を目指すための一つの手段として、「尼崎版グリーンニューディール」に取り組んでいるところであり、「自然エネルギーの推進」、「すまいと交通」、「スマートシティ」といった3つの重点テーマに基づき、毎年度、施策・事業を積み重ねていき、「環境と産業の共生」と「地域経済の好循環」を目指してまいりたいと考えております。

 私が住宅リフォーム助成制度の実施を求めた昨年9月議会では、「中小企業への支援は必要。現在の支援策は、融資制度のみである」「地域内で経済が循環し、持続的な発展を遂げていくためには、効果的で適切な取り組みによる底上げが必要であり、限られた財源の有効活用などから住宅リフォーム助成制度にとらわれず、検討していきたい」との答弁でした。

 消費不況の中、市内商店での買い物を後押しする意味からも、市内商店街などでのみ活用できる商品券での助成も含めれば、さらに経済波及効果が高まり住宅リフォーム助成制度は地域経済活性化に寄与できると考えます。

 2012年度から、『太陽熱温水器』、『エコウィル』、『エネファーム』などの設置に補助する制度を実施したところ、約8割が市内事業者の施行であり、地域経済の活性化に寄与している、と、市長が施政方針で述べられました。化石燃料の使用を節減できる環境対策として、大阪瓦斯が普及に努めているものですが、経済効果の波及範囲は狭いと受け止めています。

 また、新年度は、エネファームなどの事業継続と市内事業者への発注を前提とする新たな取り組みとして、市場商店街の照明をLEDに変える際の助成を行うとしています。これは、節電目的のものですが、きわめて範囲の狭い特定事業者が対象で経済波及効果が少なく、地域循環型経済への貢献度は、低いと考えます。

質問

 同じ投資であっても、地域内への波及効果の大きい投資の仕方が、地域循環型経済の促進にもつながるものと考えます。その点からも、住宅リフォーム助成制度を考慮したのでしょうか。していないとすればその理由も合わせてお答えください。

答弁

 ご提案の『住宅リフォーム助成制度』につきましては、単独での検討は、いたしておりませんが、新年度予算に計上いたしました「小規模太陽光発電設備に係る固定資産税の課税免除」につきましては、国の方針としても再生可能エネルギーの普及促進を図るため、平成24年7月から3年間の、電力の固定価格買取制度の優遇措置がスタートしており、極めて優先度の高い事業であると考え、実施しようとするものです。

 この事業におきましても、工事施工については、市内業者を基本とすることにより、地域内経済循環の効果を高めてまいります。

 このように、『住宅リフォーム助成制度』に限らず、環境と産業の共生をテーマとした取り組みや、財政的な負担の少ない手法により、地域経済の好循環を目指すなど、これまで同様、今後も幅広い取り組みについて検討してまいります。

 私の自宅は、太陽光発電を設置するには、あまりにも小規模だと認識しつつも、使用済み核燃料の最終処理ができない原発への抵抗と地球温暖化対策から、再生可能エネルギーへの切り替え要請が必ず大きくなると思い、また、その効果を見たいと、早い段階で、2kwときわめて小規模ですが、太陽光パネルを取り付けました。現在、売電が買電を上回っています。福島原発事故を経験し、原発をやめ、化石燃料の使用を大きく減らすためにも再生可能エネルギーへの切り替え促進は、時代の要請です。大きな屋根のお宅をみては、もったいないなあと思います。市民に対する助成制度の拡充は不可欠の課題です。

 2013年版の「尼崎版グリーンニューディールの基本的な考え方及び、具体的な取り組みついて」によると、①コンパクトで持続可能な街づくりの推進、②世界的経済不況・雇用不安・原発事故があったことで、省エネと再生可能エネルギーの推進が求められている、と、尼崎版グリーンニューディールを推進する意図を述べています。2013年度の施策では、個人事業者も含めてはいますが、企業に対する太陽光発電設置支援が中心です。市民の環境・エネルギー問題に対する関心を高めることに直接つながる、個人住宅への設置促進に取り組むべきです。

 また、デフレ不況対策には賃金引き上げが、大きな政策課題になっています。太陽光発電そのものの設置に要する費用とトータルとしての電気代節減効果との差し引きは、どのくらいかよくわかりませんが、いまの不況時に月々の電気料金が少なくなったり、売電が買電を上回るなどは、賃金引き上げと同様の効果があり、地域経済に与える波及効果も大きいと考えます。

 国は、「工業統計調査」の対象から従事員3人以下の零細事業者を外してしまいました。地域経済活性化、地域循環型経済といっても、零細事業者は融資以外では、対策の対象にもしていない市の姿勢は、統計すら取らない国と同じで、個人や零細事業者には目を向けていません。環境施策の対象が限定されすぎており、極めて偏った対応となっています。

質問

 個人住宅への太陽光発電の設置にたいする助成事業を予算化しなかったのはなぜでしょうか。

答弁

 本市では、国の補助制度が無かった平成19年度に住宅向け補助制度を開始し、平成21年度までに434件の補助を行いました。

 現在では、国の住宅向け補助制度や固定価格買取制度に加え、平成21年度にはキロワットあたり60万円を越えていた設置費用も40万円台と大きく下落し、普及が大幅に進んでいます。

 このことから、住宅用への普及の道筋はついていると考えており、今後は一定の発電量が見込める、10キロワットから50キロワットの太陽光発電について導入を促進してまいります。

弱者への平等な対応について

 高齢の生活保護世帯のうち、年金や給与収入がある人には、熱中症対策として、クーラー購入費用を社会福祉協議会から借り入れができ、借入額は、収入認定しません。社協への分割での返済金も、年金や給与収入から返済するので、返済額分だけ収入が少なくなるとして、その分、保護費の給付額が増額されます。年金収入や給与収入のない生活保護世帯には、社協は購入費の貸付をしませんし、クーラー設置費用は保護費から給付されることもありません。同じ生活保護世帯であっても、年金収入などの有無によって、実質自己負担の有無が決まるというずいぶん差別的な扱いです。言われている理屈は、一応、理解はしますが、実質的には不公平そのものです。

 敷地に余裕のある住宅に住んでいる市民対象には、エネファームなどへの補助制度があり、地域経済の活性化に寄与していると市長は述べました。

 高齢生活保護世帯の方の熱中症予防のためのクーラー設置支援は、命にかかわるものであり、市内業者から購入、設置することを条件にすれば、市長が言われるように、地域経済活性化に寄与することにもなります。

質問

 最低生活を余儀なくされている高齢者の熱中症の予防対策として、クーラーは命を守る重要な対策です。それを分割で購入できる対策、もしくは、現物給付、現物貸付を検討すべきです。年齢的弱者かつ経済的弱者である高齢生活保護世帯に対して、何らかの対策を実施するよう求めますが、いかがですか。

答弁

 高齢者にとって生活保護世帯かどうかを問わず、熱中症予防対策として、エアコンの活用は有効な手法のひとつです。

 しかし、現行制度上、基本的には他の家財道具と同様に月々のやりくりを通じた、基準生活費の中で賄っていただくものであり、国の枠組みを超えて市独自に個人給付等の事業を行う考えはありません。

 市は、財政難を理由に、職員を削減し、指定管理者制度をはじめとして市外の企業への委託や発注を拡大しています。

 市の支出総額が同じでも、市が消費した額のうち、市外に流出する額が多ければ多いほど、市内で循環し、地域経済を活性化させる原資が減り、地域経済にとっては、望ましくありません。
市長は、当選後の所信表明で、地域内で人とお金が循環することが必要だと述べておられます。つまり、地域循環型経済にということです。

質問

 市内外を問わず、委託化は低賃金化を促進させ、特に市外企業への発注は、地域内で人とお金が循環せず、市内雇用にも市税収入にも良い影響が出ないと考えます。結局、より一層市財政を厳しくし、悪循環です。地域循環型経済の公約にも反すると考えますが、いかがでしょうか。

答弁

 委託化を推進する、いわゆるアウトソーシングの取組につきましては、民間の専門的な知識やノウハウを活用することにより、行財政運営の効率化や市民サービスの向上を図る観点から、取り組んでいるものでございます。

 また、その取組にあたりましては、地域経済の活性化といった観点から、これまで契約制度において、市内事業者や市内団体に対して、一定の優先措置を講じているところでございます。

 そのような中、「あまがさき『未来へつなぐ』プロジェクト」におきましても、税収の安定・向上につながる取組として、地域内で経済が循環する取組を促進することを掲げており、今後、さらに地域経済の活性化につながる効果的な取組を推進してまいります。

次に市の計画の進め方の混乱についてです。

 市職員の大幅な削減で市の財政危機を乗り越えようとするところに、市行政の混乱の原因があると思えてなりません。

その一つが公共施設の最適化再配置問題です。

 私は、子どもを出産した後、母親よりも中央保健所の保健師さんを頼りにして、子育てをしました。予防接種や定期検診の受診も欠かさず受け、教えられた子育てのノウハウは本当にありがたく、保健師さんが身近な保健所におられ、いつでも気軽に相談できる安心感は何にも代えがたいものでした。

 しかし、残念ながら、保健所に続き、2006年度には保健センターも一所化され、福祉事務所も6所から1所に集約されました。

 職員を減らすために、6福祉事務所から1所に集約したものの、保護率は、先に述べたように、現在では、4%を超え、この異常な増え方が1所ではスムーズな事務ができないとの事態を招いています。

 2009年度に施策評価委員会が「公共施設の今後のあり方について」を提言し、労働福祉会館の廃止を打ち出しました。2015年度をめどに、労館大ホールの代替ホール、中央公民館、南部3支所の地域保健担当、地域福祉担当を集約する保健センター、福祉事務所を1所から2所にして、うち1所を入れるなど6階建ての複合庁舎を市役所南側の駐車場に建設する案が議会にも示され、その後、6階建てから5階建てへの変更もありました。

 労館の存続を求める市民運動が高まる中、大ホールを備える複合庁舎の建設計画が市民にも説明され、労館廃止に向けて、市は極めて精力的でした。市民合意のないまま、この3月限りで労館を廃止する条例が昨年の2月議会に提案、多数決で可決されました。ところが、この2月に複合庁舎の建設そのものが財政的に無理だとして白紙にされました。

 これほどずさんな計画の進め方があるのだろうか、それも、労館をこの3月に廃止すると決めた後でのことです。

 6階建てだといいながら、5階建てと聞いた時も、考えられないお粗末さだと思いました。ところが、建設を白紙にすると聞いたときは、驚きを通り越して、今の尼崎市は一体どうなっているのか、そのずさんさに愕然としました。前代未聞の醜態です。複合庁舎建設を含めての市民説明会は、一体何だったのかと、市民の厳しい批判の声が湧き上がっています。市長は、計画確定前から、市民の意見を聞いて決めると公約し、市民説明会やパフリックコメントに取り組んでいるとするなかでのことです。

 多くの市民は、労館の存続を求めてきました。複合庁舎の建設を求めてきたわけではありません。しかし、明確になったのは、労館の廃止だけです。

 このような状況を考えると、支所と地区会館を合築する計画も露と消えてしまうかもしれないと懸念を抱いてしまいます。

 複合庁舎の建設を白紙撤回せざるを得ないのであれば、その裏付けになる財政的説明を明確に行うのが責任ある仕事の進め方です。計画変更の背景になっている財政的説明の資料を会派として要求したところ、詳しい資料はないとの返事で、いまだに何の資料も提出されていません。

質問

 合理的な説明がない、これほど無責任な行政運営はありません。複合庁舎の建設案を市民や議会に説明する限り、それなりの財政的裏付けを持ってのことと考えます。それを説明してください。また、それが、無理だと判断したのですから、変更前後にどんな財政事情の変化があったのか、それも説明してください。

 財政的なことも含めて、どの部署が責任を持って、市民や議会に提示できる計画を練り上げ、そして、撤回したのか、明確な答弁を願います。

答弁

 第2駐車場の複合施設建設を含む公共施設の最適化に向けた取組については、従前は企画財政局が、今年度からは、新たに資産統括局が中心となる中で、組織横断的に検討を進めてきたところでございます。

 第2駐車場の複合施設につきましては、施設の総量を圧縮することにより、維持管理コストの削減を図るとともに、集約等により生じる跡地を売却することで、建替え等に要する財源を一定確保するという基本的な考え方に沿って、取組を進めてまいりました。

 しかしながら、昨年10月に「次期行財政改革に係る計画」の素案を策定するにあたって、改めて直近の収支状況を精査いたしますと、毎年50億円前後の実質的な収支不足が続く、厳しい状況が見込まれ、今後の財政運営を考慮した上で、当画は土地売払い収入についても、市債の償還等に充てざるを得ないと判断し、将来の負担も十分見据える中で、第2駐車場での複合施設の建設については、より経済的で効率的な配置となるよう見直すこととしたものでございます。

 日本共産党議員団は、従来のように、6支所体制で、支所機能と地区会館機能だけの集約でなく、保健センター機能、福祉事務所機能をも合わせて集約させることが利便性からも、まちづくりで重視されている近隣住区論から見ても、妥当だと考え提案しました。しかし、去年9月議会での答弁では、6福祉事務所体制から1福祉事務所体制にしたことで、元の6福祉事務所に戻すに必要な職員配置ができないとのことでした。その根本は市財政難です。

次に労働センターにある「しごと支援課」の移動場所についてです。

 労働センターで行っていた「しごと支援課業務」は、出屋敷リベルの3階に移転するとの説明を受けました。

 同床は、大手企業の2社が保有しており、固定資産税も共益費も一切滞納がないとのことです。あき床になっていても、市にも尼崎都市開発㈱にも、何ら財政上の問題は起こりません。体力のない個人の区分所有者ではなく、体力のある大企業です。それこそ、自力で、床の利用を検討したり、テナントを誘致する能力もあります。

 リベルよりも旧開明小学校跡のほうがバスも電車も便利です。開明小学校跡は公有財産であり、家賃を支払わずに済みます。現在、市は、徹底して、経費削減に次ぐ経費削減です。なぜ、わざわざ、家賃の必要な場所への移転を決めるのでしょうか。

 会派の予算勉強会では、財政当局は、一切説明してくれませんでした。軽々にいうのは、はばかる気もしますが、リベルの床を所有している大企業の要請に応えてのことではないのかと思わざるをえませんし、納得できる明確な説明がないことを考えると、リベルへの移転は、行政トップクラスの特別の指示かもと思えて仕方ありません。

質問

 しごと支援課の移転場所は、財政上からも交通利便性からも、旧開明小学校の空き教室を活用するほうがよいと考えます。この2点についてリベルのほうがすぐれているとする理由をわかりやすく説明してください。年間、約1100万円もの家賃支出について、どのように考えているのか。なお、共益費は、床所有者が負担するのか、それとも市が負担するのかいずれでしょうか。家賃負担以上の効果があるとする理由をお聞かせください。

答弁

 無料職業紹介や労働相談の窓口業務を行う「しごと支援課」事務室の移転先につきましては、複数の施設について検討を重ねてまいりました。その中で開明庁舎につきましては、エレベーターの新規設置や雨漏りの施設改修、階段、廊下の整備などを含めまして、初期投資経費として1億5,000万円程度の工事費が必要となります。

 一方、「出屋敷リベル」につきましては、移転に係る工事費(5,800万円程度)のほかに、家賃としての使用料は、年間で1,100万円程度必要となりますが、管理費用(修繕積立金含む)は使用料に含まれております。

 また、「出屋敷リベル」は、阪神出屋敷駅に直結し、かつ駅前広場に面しているなど、交通利便性も高く、利用者や市民の認知度も高い施設であるとともに、1フロアで一体的な床の確保も可能となります。

 さらには、「出屋敷リベル」への移転により、再開発ビル空き床の有効活用や地域の活性化にもつながると考えられます。

 これらのことから、総合的に判断し、「出屋敷リベル」に、「しごと支援課」の事務室を移転することを決定したものでございます。

次に保育所の民間移管問題です。

 大島保育所の民間移管に関しては、市民が2つの裁判に訴えています。その裁判の決着がつかない間に、民間移管を進める条例を提案し、議会は可決。そして、立花南保育所も、廃止条例が出され、党議員団以外の賛成多数で可決。その後、保護者が提訴する、こういう経過を経て、受託法人を募集。その後に、受託法人から辞退の申し出という異例なことが起こりました。上ノ島保育所の移管時期についても、条例変更せざるを得ない事態を生みました。

 なぜ、こんなことが連続して起こるのかです。私たちは、公立保育所の存続を求めているので、民間移管がスムーズにいかないことに問題意識を持っているわけではありません。到底理解できない事態が起こっていることに、仕事の仕方、行政運営上の問題として危機感を持っているのです。

 今、3つの保育所裁判があり、担当部署は、それへの準備にも時間を費やさざるを得ないでしょう。裁判への対応に加えて、民間移管計画を同時並行に進める市の方針にこそ、無理があるとの思いを強くしています。

 今回の立花南保育所の民間移管決定法人の辞退問題は、担当部署が処理しきれないほどの事務を担っていることからくる対応の不十分さ、また、市民との信頼関係が崩れていることに対する精神的負担が精緻さに欠けるしごとの仕方につながっているのではないかと推察します。市長以下、幹部の責任が問われる問題です。

質問

 保護者の合意が取れる、取れないにかかわらず、民間移管計画を強引に進めていることにこそ、立花南保育所の受託辞退の根本的な原因があると考えます。市長の見解を伺います。
 とにかく、市民との合意が取れないまま、まして、裁判が継続している間は、強引に進めることは、本来中止するべきです。答弁願います。

答弁

 市政運営において、市民の皆様と様々な政策や課題について合意形成を図ることは非常に重要なことであると認識しております。

 この認識のもと、大島保育所においては、訴訟が提起された以降においても、複数回にわたり父母の会会長等との話し合いや説明会を実施し、保護者の皆様の不安解消を図るとともに民間移管への理解を得るよう協議の場を設けるための努力を続けてきたところであり、現在進められている移管法人選考委員会においては、保護者の方々に法人選考委員として参画をしていただいております。

 また、立花南保育所においても、一部の保護者から訴訟が提起されましたが、保護者が法人選考委員に参画されない場合においても、選考過程において一定の条件のもとで保護者が意見を述べることができる機会を設けるなど、民間移管の取り組みに当たりましては、誠意をもって、保護者の皆様の理解を得られるよう努めてまいりました。

 2保育所の民間移管において、本市を提訴されたことにつきましては非常に残念であると考えておりますが、0歳児保育など多様化する保育ニーズに対応しつつ、効率的な保育行政を図っていくためには、引き続き公立保育所の民間移管を進めていく必要があると考えております。

 市民のためになる仕事ができる職員を育てることもなく、ただ、財政削減論からの職員削減で、市役所が本来持たなければならない機能すら、持てない状況にしてしまっています。国の職員削減方針を無批判に受け入れてきた市長以下幹部の責任ではないかと強く指摘します。

次に市バス問題です。

 昨年7月の公営企業審議会の答申に基づいて、12月には尼崎市バスの民営化を進めるにあたっての取り組み方針の素案が示され、民営化は既定の方針として、取り組みが進められています。
2010年度に、敬老パスが有料化されたことにより、乗客が減少し、市バス会計は、一気に悪化、結局、自治体でいう財政再生団体への転落を回避するために、市は、翌年度に、3.5億円を追加補助せざるを得なくなり、一気に、民営化に拍車がかかりました。

 公営審の答申では、「民営化の移行に際し、バス交通サービス水準の維持、確保に向け、事業者と協議を行い、協定を締結すること」としています。どんな内容の協定にするかが、これからの大きな課題です。

 公営企業と民間交通機関との決定的な違いは、市バスでは、これまでも、黒字路線で上げた利益を赤字路線に補てんするにとどまらず、市民のために、路線の維持の必要性があると判断して、経営補助をしてきました。路線も不十分ながらも可能な場合は市民の要望を取り入れても来ました。しかし、民間になれば、利益を上げられなければ、バスを走らせる意味がなくなります。公共交通だからそんな恐れはないとの意見も聞きますが、現実に、路線はあっても便数を極端に減らしている事実が他都市であります。

 党議員団は、市には、市民の移動の権利を保障する義務があり、公共性を維持し、バスネットワークとサービスを守ること、バス事業に対する市民や議会の意見を反映できるようにすることなどから、市バスの民間移譲には反対です。

 そして、それがきわめて困難であれば、少なくとも、市が責任を果たすうえで、尼崎交通事業振興㈱を担い手にすることを求めてきましたが、公営審では、完全民営化が答申され、特別委員会等では民営化に向かっての報告 議論が行われてきました。しかし、「尼崎市自動車事業の設置に関する条例」を廃止する条例を可決しておらず、現在は、まだ、民営化は正式決定ではありません。しかし、新年度予算案には、市バスの民営化を前提にした市バスの累積債務を3年間で解消する民営化補助金2億8200万円、移譲先選定委員会の予算として、33万1千円が計上されています。

質問

 「予算は法的な根拠に基づくもの」でなければなりません。市バス廃止を正式に決定していないにも関わらず、2億8200万円以上もの民営化関連予算を提案するのは、妥当なやり方ではないと考えます。市長の見解をお尋ねします。

答弁

 市営バス事業の今後のあり方の検討にあたりましては、公営企業審議会を設置し、幅広いご審議を行っていただき、民営化を目指すことが妥当であるとの答申を受けました。

 この答申の趣旨を踏まえ、この度、市として、市営バス事業の民営化に向けた取組方針をまとめました。

 審議会でのご審議から市の取組方針の整理に至るまで、その検討過程における節目節目で、総合計画等特別委員会において議会のご意見も十分お聞きする中で、取組を進めてきたところでございます。

 これら一連の取組の中で、市民から、路線等サービス水準の維持、確保に対する不安の声が多く寄せられたことなどを踏まえ、まずは、移譲事業者を選定し、移譲後のバスサービス水準について、市民の皆様に具体的にお示しし、安心して頂いた上で、自動車運送事業の廃止条例について、ご提案させていただくことが望ましいものと考えております。

次に切実な医療問題についてお尋ねします。

 国民健康保険についてです。

 現在、手元に国民健康保険証のない世帯は7,639世帯です。ざっと12,500人ほどは保険証が手元にありません。

 国の問題であるTPP参加については、極めて大切な国民皆保険制度が壊されると日本医師会も反対しています。もちろん、私たちも反対です。

 しかし、現実に国民皆保険を保障する国民健康保険の保険料が高すぎることで、保険料を払いきれず、保険証が手元にないというのは、国保制度の根本にかかわる問題であり、この異常さを改善するのは行政の責任です。

質問

 例年、同じ所得、同じ家族構成で比較すると、尼崎市の保険料は、他都市に比べていつも、高いのが実態です。負担能力以上の負担を強いていることが、手元に保険証のない市民が12,500人ほどもいる主要な要因だと考えます。市長の見解はいかがでしょうか。

答弁

 国民健康保険制度につきましては、市町村単位で運営していることから、医療費や一般会計繰入金の状況のほか、1世帯あたりの被保険者数や所得状況等により、保険料率は市町村によって異なります。

 本市国保は、被保険者の所得が他都市に比べ低位にあることから所得割料率が大きくなる構造となっており、同一所得・同一世帯人員で比較した場合、阪神間各市より高い保険料となる傾向にあります。

 こうしたなか、本市国保といたしましては、極めて厳しい財政状況ではございますが、保険料軽減財源である財政健全化4億円に加え、基準総所得に占める保険料負担率に着目した特別減免を平成23年度から創設し、負担率20%を超える最も負担感の大きい層に減免を適用するため、新たに一般会計繰入金約2億円を確保し、保険料負担の軽減に努めております。

 なお、ご指摘の短期被保険者証の未交付の解消につきましては、平日の時間内に来庁できない方のために、年間3回の休日開庁などにより納付相談の機会を確保するとともに、推進員の未納世帯訪問時・の納付相談の中で、未交付の解消に向けた取組も実施しております。

 今後とも、保険料負担の公平性の確保を図りながら、保険証の未交付の解消に努めて参ります。

質問

 国保法第44条では、一部負担金の軽減ができますが、改善されたとはいえ、利用できる条件が厳しすぎます。44条の縛りから離れて、市独自の条件緩和が必要ですが、検討はしてきているのでしょうか。

答弁

 国民健康保険法第44条に基づく一部負担金減免制度は、災害や失業等により収入が著しく減少し、生活が困難となった場合、それらの事情を特別な理由として、一定の期間、一部負担金の減免等の措置を採ることができるとするものです。

 本市の制度におきましては、平成23年4月に、保険料滞納世帯や、収入が生活保護基準の世帯に対して対象を広げるなどの制度改正を行ったこと、さらに、平成24年4月からは、阪神間他都市の実施状況等を踏まえ、所得激減の判定基準を前3か月の平均収入から、直前1か月の収入に見直すとともに、減免期間を3か月から6か月へ延長するなど、適用範囲を拡大したところでございます。

 現時点において、更なる適用範囲の拡大は困難と考えておりますが、引き続き、福祉施策における他の制度など、関係各課との連携を図る中で、丁寧な対応を行うとともに、今後とも、本減免制度が、より効果的に運用されるよう、市民周知に努めてまいります。

 尼崎医療生協と阪神医療生協で無料定額診療事業を実施しています。

 健康増進事業で、低所得の糖尿病患者の治療中断を防ぐためとして、受診とインシュリンに対する助成制度を実施することを評価します。しかし、それだけでよいのでしょうか。無料定額診療事業による受診者は、切羽詰まった状況の患者が多いのが実態です。薬は院外処方が通常で、薬代には適用されないために、治療が完結しない問題を残しています。

質問

 無料定額診療事業における院外処方の薬代への助成制度を実施しない理由は何でしょうか。糖尿病患者への補助と同様、無料定額診療事業の院外処方の薬にも助成すべきと考えます。答弁願います。

答弁

 現在、国におきまして、無料又は低額な料金で調剤を行う事業が第二種社会福祉事業として位置づけられていないため、そうした事業実施に意欲のある薬局がありましても実施できず、無料低額診療の実施医療機関で診療を受けた方も、院外処方の薬は無料低額になりません。

 こうした部分への対応策として、市単独で薬代の一部助成を行うといった新たな制度を創設することは、本市の厳しい財政状況の中では困難であると考えておりますが、無料低額診療事業における薬代の考え方や事業の検討状況について、改めて国に確認して参りたいと考えております。

これで第2問目を終わります。

第3回目登壇

市バス民営化に関連しておたずねします。

 市バスの完全民営化に向けては、市民の移動の権利を守る方策が担保されるかの検討が必要です。

 受託業者との協定内容の充実、そして、協定期間終了後の取り組みに市がどう関与できるかの議論も合わせて重要です。

 市が7割、交通労組が3割、出資し、尼崎交通事業振興㈱をつくってきた経緯があり、市バスの経営を守るために、給料の安い振興㈱に運転委託してきました。そのために振興㈱は運転手を採用し、75人の運転手がいます。乗客への心配りができる運転手が多いのが特徴です。市には、出資者として、同社の労働者の雇用を守る責任があります。振興㈱の賃金の安い労働者により、市バスを維持してきたことを無視することは許されません。

 公営審の委員の中には、民間バス業界の代表もおられ、「民営化に備える対策もできる」と発言しています。市民の移動の足と振興㈱の労働者を守るために、移譲にあたっての協定期間はできるだけ長くすることが必要ですし、協定には、最低、次の内容を盛り込むことを提案します。

質問

・現行の路線とダイヤを変更しないこと
・市民サービスを低下させないために市バス発足当時から堅持してきた定額運賃制を維持すること
・運賃値上げをしないこと
・協定期間以降も、市民アンケートを取り、市民の意見を聞くシステムをつくること。
・移譲を受ける民間会社は振興㈱に運転委託することを条件にすること。
・尼崎市内はノンステップバスと車いす乗車が可能なバスを使用すること。
・高齢者の乗車人数にかかわらず運行経費にはほとんど差がない。敬老パス制度を無料に戻し、仙台市が行っているように、市が民間バス会社に負担する金額は協議して、定額制にすること。
・市の広報を車内に掲示する際は、無料にすること。
・車体に企業の広告を取り付ける場合は、一定は市内企業にし、市内企業には割引を行うこと
・市バスで実施している各種乗車券を同様に販売すること
  などです。

 答弁願います。

答弁

 協定書は、市営バス事業の移譲にあたり、移譲時期や対象路線、移譲後の運行サービスの内容等について、移譲事業者との間で取り決めておくものでございます。

 そのなかで、移譲時の路線やダイヤ等運行サービス水準につきましては、移譲から3年間維持することを運行条件とする考えでございますが、あわせて、公共性の確保に向けた協議会への参加や利便性向上への取組、赤字路線維持のための補助金についての規定などにつきましては、期間を定めることなく、将来にわたって取り決めを行う考えです。

 なお、事業者の選定にあたりましては、プロポーザル方式により行うこととしておりますが、提案のあった内容も踏まえつつ、公共性の確保を基本に、民間事業者の経営の自由度にも十分配慮する中で、今後、協議・検討してまいりたいと考えております。

 切実な市民要求も実現できない尼崎市にとって、最大の障害は財政問題です。市としても、しっかり、地域循環型経済を推進させ、地域内再投資力を高める取り組みが必要です。

 合わせて、日本全体のデフレ不況克服のために、国の方針に沈黙していてはだめです。

 日本の雇用者報酬がこの14年間で12%もさがっているのは、ベースアップがないからばかりではありません。非正規雇用の急増が大きな要因です。1980年代から1990年代の前半までは、非正規労働者は、労働者全体の1~2割程度でしたが、今や、35.5%までになっています。ドイツ、フランスが15%、イギリスの6%に比べると、日本の異常さは際立っています。

 賃下げ、非正規雇用の拡大がデフレ不況の悪循環を作り出し、その上に、高額所得者、富裕層や大企業などへの優遇税制のために、税収が落ち込み、それに加えて、尼崎市特有の過去の財政運営のまずさが、市財政をとことん厳しいものにしています。

 市民生活の改善に必要な財源を確保できる道に進まなければなりません。私は、つねづね、国も市も多額の借金財政だけれど、日本全体が貧乏ではない、お金はあるところにあると内部留保や税制の矛盾を話しています。労働者が働いて、生み出した富の配分と税のあり方に根本的な矛盾があります。

 昨年12月議会では、大企業や富裕層への減税などによる税収不足を消費税で穴埋めする不合理さについて質問しました。安倍政権が進める方向には、社会保障制度の大後退も含まれており、市民生活は、より一層厳しくされます。国政のあり方を変えなければ、市財政の立て直しも困難でしょう。

市財政と市民の暮らしを守るために、国政に関連して質問します。

 来年度からの10年間計画である“あまがさき”「未来へつなぐ」プロジェクト(案)が策定され、その第1章、「計画策定の背景および必要性」の最初にこれまでの行財政計画の取り組みがのべられています。それによると、

 本市は、17年前の1996年度を「財政再建元年」と位置づけ、「行財政改革推進計画」等に基づき、職員定数の削減などを中心に財政の健全化に取り組んできたこと。

 2003年度から2007年度の5年間は、「経営再建プログラム」を策定し、300項目以上の市民サービスなどを削減し、土地の売却や市債の発行など多額の財源対策を講じて現在でいう財政再生団体である「財政再建団体」への転落を回避してきたけれど、財政状況に明るい兆しが見えたわけではないこと。

 そして、2008年度から2012年度・今年度までの5年間、財源対策なしで収支均衡を図ることを目標として、「あまがさき行財政構造改革プラン」を策定し、財政規律を守るとし借金返しを最優先の財政運営を行うために、わずか年間7万円の原爆被害者の会への補助金、行政協力員へのわずかな報奨金さえ削減するなどして当初計画の50億円以上の効果を上げたものの、当初の目標であった財源対策なしでの収支均衡は、はかられないままに現在に至る状況が書かれています。

 この17年間で、もっとも顕著なことは、市職員数を削減するために、ごみ収集の民間委託の拡大、学校給食調理業務の民間委託、保育所の民間移管、公立幼稚園の削減計画、各種公共施設の指定管理者への委託化や2000年度から実施された介護保険事業にみられる福祉事業の民間参入の拡大です。それと同時に、各種の福祉施策が打ち切られ、使用料・利用料の引き上げも行われてきました。

 緊縮財政一辺倒の行革をいくら進めても市の財政状況は改善せず、財源不足が続き、公共施設の再配置、市バスの完全民営化もその流れの中から出ています。

 そして、「プロジェクト」では、過去のまちづくりにおいて発行した多額の市債等の償還が、今日の財政を圧迫している大きな要因であり、実質的な収支均衡を確保する状態には至っていないと過去の行財政運営の結果であることも認めています。

 4ページでは、「こうした収支状況の背景には、所得の低い階層や年金収入のみで生活することが困難な高齢者が多いことから、経済雇用情勢の悪化や高齢化に伴って、生活困窮に陥りやすい人が多い都市の体質となっていること、また、税収面では、そのことが安定財源となりうる個人市民税の少なさにつながっていること、さらに、高齢化の進行に伴い、後期高齢者医療療養給付費や介護保険給付費が年々増加し、税負担の増につながっていることなど、本市の特性や高齢化の進行が税収、扶助費、医療費に影響し、それが硬直した財政構造の大きな要因になっていると考えられると」述べています。

 私は、この4ページで述べている硬直した財政構造の要因を取り除くことがデフレ不況、市財政構造の改善にとって極めて重要な課題だと思います。

 プロジェクトの3ページには、「本来、国の責任と役割において実施されるべき社会保障制度やその財源を保障する地方財政制度などについては、国の動向を見定める中で、国と地方の費用負担のあり方や市民生活へ与える影響等を勘案し、必要に応じて国へ働きかけていく必要がある」と述べています。ここに書かれている内容にとどまるのでなく、経済政策などについても、積極的に国に働きかけることが必要です。

 安倍首相は、デフレ脱却策として、無制限の金融緩和、大型公共事業のバラマキ、大企業応援の「成長戦略」を掲げていますが、そのどれもがすべて過去の自民党政権がおこない、破たんがしてきたものばかりです。「危機突破」とは逆に、危機と矛盾を激化させるしかないでしょう。

 「金融緩和策」は、安倍政権下で消費税増税に踏み切るための前提条件づくりとして登場したとみられます。1990年代以降日銀によって続けられてきた金融緩和が、「デフレ」の克服にも景気回復にもほとんど役に立ってこなかったことは明らかです。現在市中に供給されている通貨の量は国内総生産(GDP)比で26%にのぼり、アメリカの16%、ユーロ圏の18%と比較しても世界最高水準です。十分すぎるほど資金が供給されても、消費が低迷していて企業の投資先がないため、その多くは金融機関にたまっているだけです。銀行は中小企業には貸し渋りを続けています。ここにメスを入れない限り、いくら金融緩和をしても、実体経済はよくならないと考えます。

 デフレ不況の最大の原因は、働く人の所得が減り続けていることです。デフレ不況から抜け出すためには働く人の所得を増やして経済に元気を取り戻すことです。

 1997年からみると、企業の経常利益は63%も増えたのに、賃金は、12%も減っています。今こそ、賃金引上げが必要です。政府が持つべきは、物価目標ではなく、賃上げ目標です。日本共産党の国会議員団の繰り返しての質問により、それを認めざるを得なくなり、本気度が疑われますが、経済界への要請も行わざるを得なくなりました。

 週刊エコノミストの編集長は、「安倍首相のデフレ脱却策を聞いていると、この人は国民の家計や雇用にどれだけ関心があるのだろうかという気になる。インフレ期待の醸成というが多くの国民の期待は賃金の上昇だ」と述べていますし、第一生命経済研究所の熊野秀雄氏も「1992年以来2%の物価上昇の経験は、原油高騰や消費税率引き上げを除いて例がない。持続的な賃上げ上昇を政府が誘導することが、デフレ解消には大きな威力を持つ」と主張しています。

質問

 安倍首相が行うとする無制限の金融緩和、大型公共事業のバラマキ、大企業応援の「成長戦略」による物価上昇目標でなく、賃上げ目標を持つことこそ必要だと思いますが、市長のご見解をお聞かせください。

答弁

 今回の国の緊急経済対策は、「『金融緩和』『財政政策』『成長戦略』により、長引く円高・デフレ不況から脱却し、雇用や所得の拡大を目指す。」こととされています。

 こうした考え方に基づきました、今回の国の補正予算は、多額の公共事業が含まれており、国の長期債務残高の増加への懸念はございますものの、今回の国の補正予算や経済政策が功を奏し、働く意欲のある人たちに仕事をつくり、所得を増やすことに繋がっていくことが重要であると考えております。

 増税や社会保障の負担増など、国民の所得を奪う政策を中止し、働く人の所得を増やす政治への転換が必要です。そうしてこそ、市の財政改善にもつながります。日本共産党は、そのために、次の3つの方法を提案しています。

 第1にサラリーマン世帯の1か月分の給料を取り上げる消費税増税を中止し、年金や生活保護費削減など社会保障費の削減をストップすること。

 第2に、賃下げや大リストラをやめさせること。大企業には、賃金引き上げ、雇用を確保するだけの体力があり、眠っている260兆円もの内部留保の1%程度を還元することで可能です。

 第3に、暮らしを守るルールの確立です。正規雇用の拡大、最低賃金の大幅引き上げ、下請け中小企業の単価切り下げなど下請けいじめをやめさせることです。

質問

 この3つの提案に対する市長のご見解をお聞かせください。市財政改善のためにも、これらを国に働きかけてほしいと思いますが、いかがでしょうか。

答弁

 消費税の増税につきましては、少子高齢化という人口構成の大きな変化などを踏まえ、年金制度や生活保護制度などが、将来にわたって持続可能な社会保障制度として確立していくための財源確保策として、国政において議論がなされ、既に法律として成立したものでございます。また、その法律の附則第18条では、消費税率の引上げに当たっては、経済状況が好転していることを条件としており、そのために総合的な施策を講ずるとされております。

 そうした中で、先程申し上げましたとおり、国においては、実質経済を成長させることにより、地域経済を活性化し、それによって雇用の拡大や賃金の引き上げにつなげていこうとしているものであり、そうした、国の動向を注視してまいりたいと考えております。

 一気に多額の借金をし、集中的に行ってきた開発行政が、現在の尼崎市の財政悪化の原因ですが、その背景は、国の政治です。アメリカに求められるままに、13年間で630兆円もの大型公共投資を行うことを約束し、国は、公共事業を推進させるために、全国の自治体へ補助金や起債を通じて、誘導策を実施しました。本市も、それに乗っての開発推進だったことを肝に銘じておくことが必要です。市長には、同じ轍を踏まないように、国の方針が市政にどう影響するか、しっかり見極め、いうべきことは言い、市民の暮らしを守ることを強く求めます。

 なお、ここで取り上げられなかった問題に関しては、分科会質疑、総括質疑を通して、質していきたいと思います。

 以上で日本共産党議員団の代表質疑を終わります。

2012年9月議会一般質問 松村ヤス子:生活保護制度は、命を守る最後の砦

2012年9月議会 一般質問

2012年9月12日 日本共産党議員団 松村ヤス子

生活保護制度は、命を守る最後の砦

次に生活保護制度についてお尋ねします。

生活保護制度は、命を守る最後の砦、最低生活を保障するきわめて重要な制度です。戦後、国民主権、生きる権利、教育を受ける権利、働く権利などを保障する新しい憲法が制定されました。しかし、これら、憲法上の権利が、だんだんおかしな方向に進められつつあることに、今、私は、大きな危惧を抱いています。最低限度の生活保障の制度がおかしくなれば、それは、生活保護利用者だけの問題ではなく、社会全体の質が悪くなり、社会発展のレベルが問われ、圧倒的多くの人々のしあわせを壊しかねないと思っています。
そういう大事な制度だけに、私は、こだわらねばとの思いを強くし、質問を重ねているのです。

5月にお笑いタレントの母親が生活保護を受給していると報道されて以来、生活保護バッシングが社会に大々的に広められてきました。

これに関連して、6月議会で、親族の扶養については、

①生活保護法上、扶養義務者の扶養は、保護利用の要件とはされていないこと

②成人に達した子どもの親に対する扶養義務は、「その者の社会的地位にふさわしい生活を成り立たせた上で、余裕があれば援助する義務」にすぎないこと

③しかも、扶養の程度、内容は、あくまでも話し合い、合意をもととするものであること

④扶養の程度、内容が、扶養義務者の「社会的地位にふさわしい生活を成り立たせる」ことを前提としても、なお著しく少ないと判断される場合には、福祉事務所が、家庭裁判所に扶養義務者の扶養を求める手続きが、生活保護法77条に定められていること

の4点にそって運用しているかを確認する質問をしました。

答弁は、厚生労働事務次官通知の規定どおり、実施しており、私が確認を求めた4点にも沿っていると考える。とのものでした。

 

一方、橋下徹大阪市長は、選挙で選ばれた市長は、何をするかを、白紙委任されるのは当然、職員は市民の言うことではなく、市長のいうことを聞けとの態度です。それとあわせて、生活保護制度や公務員へのバッシングもひどいものであり、ファシズム的で非常に危険なものを感じています。

尼崎市もその影響を受けてのことかもしれませんが、7月25日、生活保護担当課から、生活保護受給世帯における「扶養届」の状況調べについて新聞発表をするとの報告を受けました。扶養義務者から扶養届の提出があったもののうち、2親等以内、つまり、両親・子・兄弟姉妹・祖父母・及び子・兄弟姉妹の配偶者のうち、尼崎市の公務員及び世帯員合算収入が1千万円以上の世帯を対象にした調査結果です。担当職員さんが、説明にこられたさい、「市職員だからといっても、若い職員では、収入が少ない。公務員かどうかでなく、収入が高いかどうかで考えるならともかくも・・・」とつぶやく声が聞こえました。調査する担当課自身が疑問を持ちながらの公務員も含めての扶養調査だったように感じられました。

質問

市がおこなった、生活保護受給世帯における「扶養届」の状況調べについて、うかがいます。
この調査をすることは、市のどの組織で、決定されたのか。

答弁

この調査については、生活保護の実施にかかる関連業務の一環として、福祉事務所において調べることにしたものである。

質問

市職員の親族の生活保護受給者調査は、何を目的として行ったのか。また、公務員だからと、なぜ、一律に調査対象にしたのか。

答弁

人気タレントの親族への扶養義務に関する報道や、東大阪市の生活保護の扶養義務者の中に市職員が含まれていたことなどの報道を受け、扶養届をもとに内部的に調査を行ったものである。

この調査では、身分の安定した公務員とともに、一定の経済力のある扶養義務者、たとえば、世帯合算で年収1千万円以上の世帯を抽出することで、今後の扶養義務の履行に生かすため、状況把握を行ったものである。

質問

公表の必要性があると判断した理由はなにか。

答弁

東大阪市や大阪市などの近隣自治体の報道を背景に、本市に対しても複数の報道機関から取材があったため、社会的な関心が高いと判断し、発表したものである。

質問

保護受給者の2親等以内の親族が公務員である場合と公務員でない場合とで、扶養に対する考え方が異なるのか。

答弁

公務員であるか否かによって、扶養に対する考え方が異なるものではない。

質問

この調査ののち、市は保護利用者と2親等以内の親族にどのような新たな対応をしたのか。また、しようと考えているのか。

答弁

本市の調査では、扶養義務者からの費用徴収を規定視した生活保護法第77条の適用を検討するような対象事例はなかった。 これまで、扶養義務者に対する扶養能力の調査については、国の通知に基づき、先ずは当事者間での協議を優先して行っており、今後も同様に対応していく。

ところで、市では、以前から扶養義務者から源泉徴収表の提出を求めているとのことです。扶養義務者と生活保護利用者とは別世帯であり、なかには、いろんな事情を抱えていることもあるでしょう。

6月議会では、扶養義務は、直ちに法律に訴えて法律上の問題として取り運ぶことは、性質上なるべく避けることが望ましいので、努めて、円満理に履行させることを本旨とするとの答弁でした。この答弁が意味するところは、絶対に強制力を働かせてはならないということだと受け止めています。

質問

源泉徴収表の提出を求めることは、「努めて円満理に履行させることを本旨とすることと規定されている」とは相容れないと思いますが、いかがですか。

答弁

扶養届に添付してもらう源泉徴収表の写しは、扶養義務者の所得から、扶養能力があるかどうかを把握する資料の一つとして求めているものである。

また、扶養届の提出を求める際にも、生活保護の申請にあたり、申請者から扶養義務者の状況を聞いたうえで提出を求めるなど一定の配慮を行っている。

したがって、源泉徴収表の提出と円満な扶養義務の履行が相容れないようなものとは考えていない。

質問

源泉徴収票の提出を求める法的根拠があるのか。

答弁

扶養義務者の資産及び収入の状況については、生活保護法第29条に基づき、福祉事務所が官公署等に調査できるとされている。

扶養義務の履行に当たっては、扶養義務者の扶養能力だけでなく、扶養する意思を有していることが必要となるため、調査という手段をとるのではなく、扶養届けにおいて、扶養の可否の申し出理由を補強する資料の一つとして、福祉事務所長の判断として源泉徴収票の提出を求めているものである。

質問

源泉徴収票の提出をしなければ、保護申請は却下されるのか。

答弁

源泉徴収票の提出がないことのみをもって、生活保護の申請を却下するというようなことは、ない。

同じ、7月25日には、中央社会保障推進協議会と全国生活と健康を守る連絡会が、生活保護の「不正受給」を口実とした扶養強要強化の中止を求める厚生労働省への申し入れと記者会見を行っています。厚生労働省が文書で回答したのではありませんが、当日交渉した団体の方の文責による回答内容がメーリングリストで送られてきました。

厚生労働省は、

①    生活保護の扶養義務の強要強化はしない

②    地方公務員に対する親族調査と扶養強要については、そういった調査が必要とは思わない。しかし、国として実施するなとは言えない。

③    扶養については基本的には現在の運用で行いたい。ただ、収入があるのに扶養義務を果たしていない例外的な人に、扶養が困難であることの証明義務を課すことや保護費の返還の仕組みづくりを生活保護全体の「見直し」の中で検討したい。最後のセーフティネットなので必要な人が受けられなくならないように、その一方、国民の理解が得られるようにしたい。

と回答したとのことです。

厚生労働省の回答の中で、「収入があるのに、扶養義務を果たしていない例外的な人に、扶養が困難であることの証明義務を課すことや保護費の返還の仕組みづくりを生活保護全体の「見直し」の中で検討したい」としているようですが、果たして、「扶養できないことの証明」は簡単にできるのでしょうか。

「証明義務を課す」となれば、たとえば、毎月2万円を援助している場合に、その2万円がぎりぎりの額であり、2万5千円や3万円は援助できないことを「証明せよ」ということになります。援助する側の収入と支出の明細・領収書を全部出せということになるのでしょうか。たとえ、すべて明らかにしたとしても、「扶養が困難である証明」など不可能だと思います。

質問

親族に「証明義務を課す」ことを求めるとすれば、親族関係をこじれさせることにつながると考えますが、いかがか。

答弁

国は、平成24年7月の「生活支援戦略」の中間まとめの中で。「保護を必要とする人が受けられなくなることのないよう留意しつつ、扶養可能な扶養義務者には、必要に応じて保護費の返還を求めることも含め、適切に扶養義務を果たしてもらうためのしくみを検討する」としているが、検討内容は明らかになっていない。したがって、現段階において、親族との関係をこじれさせることにつながるかどうかについては、答えることができないが、その後の精神的な支援などを含めて考えると、あくまでも、円満理に扶養義務の履行を求めることが肝要ではないかと考える。

質問

福祉事務所としては支援の額が妥当かどうか、扶養義務を果たしているかどうか行政の立場で、責任をもって判断しなければならなくなります。そんな判断ができるのか。

答弁

扶養義務の程度については、国の通知の中でも、「社会通念上それらのもの(扶養義務者)にふさわしいと認められる程度の生活を損なわない程度」として、抽象的な尺度が示されており、現在の運用では、家庭裁判所の審判例により判断することになっている。先ほども述べたとおり、現段階では、国から新たな実施基準が示されていないため、扶養義務者からの支援の額が妥当かどうか、また、扶養義務を果たしているかどうかの判断ができるのかといった質問には応えることはできない。

質問

親族に、扶養が困難であることの証明書義務を課すことは、結局、保護申請をあきらめさせることにつながり、北九州市であった「おにぎり食べたい」と書き残して、餓死した事件のような状況を生み出すことにつながるおそれがあると考えるが、どうか。答弁願います。

答弁

親族にどの程度、また、如何に、「証明義務を課す」のか、また、課さないのか、いまだ明らかになっていないので答えられないが、生活保護を必要とする人が申請できないようなことは、決してあってはならないと考えている。

「生活保護費でパチンコしたり、酒を飲んでいる」こんな批判の声をよく聞きます。

生活保護費の使い方は、本人の自由です。ただ、どういう生き方をするかの違いだと思いますが、特にひとり暮らしの場合は、家でテレビを見ていると電気代がかさむし、1人でいるのがさびしいなど、孤独な人が多いと感じるところです。本来なら、ケースワーカーが、話し相手になる余裕を持って担当することが望まれるところです。ケースワーカー1人あたり、30世帯ぐらいを担当することが望まれるという声もあります。しかし、そこまでできなくても、このような方たちには、生活費の保障だけでなく、市民団体やボランティアなどにも働きかけて、人としてのつながり、知り合いをつくる仕掛作りが求められると思います。ぜひ検討してほしいと要望しておきます。

深刻なのは、アルコール依存症、ギャンブル依存症の人です。依存症は病気であり、自分の力だけでは行動をコントロールできない状態にあります。

本来、そういう場合は、治療の促進、精神科医療との連携、精神保健福祉サービスが必要なのです。

質問

行動を抑制できないサイクルにはまり込んで、抜け出せない状態の人には、ワーカーを始め専門職による酒やギャンブルをやめる援助や生活支援の強化が必要です。職員配置は十分になされているのでしょうか。尼崎市での取り組みの実態をお聞かせください。

答弁

依存症の治療には長期的かつ継続的な支援が必要なため、ケースワーカーが保健所の精神保健福祉相談員と連携するなどして、精神科医による専門的な受診を促すほか、アルコール依存症に関しては、必要に応じて断酒界などの自助グループへの参加を進めており、参加する場合には、交通費の支給を行っている。

 また、依存症の方は、病気によるトラブルが原因で、どうしても、地域で孤立しがちになるため、ケースワーカーをはじめ、職員による支援が重要だと認識しており、今後一層の保健福祉の連携・充実に努めていきたいと考えている。

また、生活保護受給者が増えているのは、基準が甘くなってきたからではないか。もっと厳しくすべきとの声も聞きます。

本当にそうでしょうか。本来なら、生活保護が適用されて当たり前の人なのに、申請させようとせず、帰らせるといった状況が尼崎市にもありました。

私の経験ですが、商売がうまくいかず、高利の借金で、食べるにも事欠き、餓死寸前のところを知人に発見され、緊急入院。回復した後、福祉事務所から、「65歳以下なので、保護は打ち切る。仕事を探して働きなさい」といわれている、と、助けた知人から相談がありました。「また、餓死させようとするのか。仕事がみつかり、自立できるようになるまで、保護すべき」と話し継続となりました。

「失業し、家賃を滞納している。貯金もそこをついた。一生懸命仕事を探しているが、見つからない。家の明け渡しをいわれているが、保護課からは、65歳以下だから保護できないといわれた」という市民もいました。面接の若い職員さんは、同行した私にも同じ説明をしました。わたしは、「なぜ、65歳以下なら保護できないのか、その理由をききたい。上司に説明にきてほしいと伝えてほしい」といったところ、若い職員は上司に相談の上、申請書を持ってきました。

住宅扶助費よりかなり高額な家賃の家に住んでいる人が「家賃の安い家に引越ししてから相談に来るようにといわれた。お金がないから引越しはできない。こまっている」といった相談もありました。

これらは、すべて、いわゆる違法な「水際作戦」です。違法だからこそ、福祉事務所の幹部職員は、私の指摘を受け入れ、対応を変えざるを得なかったのです。しかし、その「水際作戦」で、多くの生活困窮者が泣かされてきたものと思います。

2006年度、日本弁護士会が行った全国一斉電話相談では、福祉事務所にいったものの、生活保護の利用に至っていないケースのうち、66%が違法の可能性があるとの結果だったということです。尼崎市だけでなく、全国的に水際作戦が行われていたのです。

高齢化、低年金、失業、低賃金、など、貧困が広がるなか、全国的な市民運動などの強まりで、水際作戦が是正され、行政が基準を守るようになってきたのです。基準が甘くなってきたわけではありません。

その結果、2007年度から2011年度の状況を見ると、保護利用者は154万3200人から210万8000人と1.36倍に増えていますが、その一方で、ホームレス数は1万6018人から9576人と40%減少、自殺者も3万3093人から3万651人にと7.4%ですが減少しています。

質問

このようなに、生活保護制度が「最後のセーフティネット」として、「人の命を支える」という大事な役割を果たしていることを示しており、基準を厳しくすることは、ホームレスや自殺者、餓死者を増やすことにつながるものと思いますが、福祉事務所はどう考えますか。

答弁

生活保護の申請権の侵害などの違法行為は、指摘されたような深刻な事態につながるおそれがあるものと考え、適切な対応を行っているところである。 いずれにしても、生活保護法が、憲法25条に規定する生存権の理念に基づいて定められたものであることを十分に踏まえた上で、生活保護制度を運用することが大事であると考えている。

8月10日に成立した消費税増税法は、当初、さんざん、社会保障の安定財源にするためといわれてきました。しかも、増税法が成立した後も、野田首相は「国民には負担をかけるが、全額社会保障に使う」と公言しました。

消費税増税法とセットになった「社会保障制度改革推進法」の附則に、生活保護の見直しが盛りこまれました。そこには、不正受給への厳格な対応、正当な理由なく就労しない場合の厳格な対処、給付水準の適正化という規定が盛り込まれました。

その上、政府は、8月17日、2013年度予算の概算要求基準を閣議決定しました。

その概算要求基準は、

要するに、

①「歳出の大枠71兆円」を遵守するために、これまで聖域とされてきた社会保障分野の支出を削る、

②そうは言っても、高齢化に伴う自然増(8、400億円)は止めようがないので、その分も含めて生活保護を見直すことで削る、というものです。

削る場合の方法としては、生活保護基準額を下げるか、あるいは、扶養や就労などの状況を厳しくするなど、受給できるハードルを高くすることが考えられます。

生活保護基準の引き下げは、生活保護利用者やあらたに生活保護を申請しようとする人たちだけの問題ではありません。

質問

生活保護基準の引き下げは、税制や社会保障負担や市の低所得者対策など、どういう事業に連動して、市民負担を引き上げますか。

答弁

生活保護受給者については、健康で、文化的な最低限度の生活を保障するセーフティネットとしての生活保護制度による支援のほか、本市では、本人はもとより、その家族構成に応じた支援を行っている。そのような支援策の具体的なものとしては、生活保護受給者が養育する児童にかかる保育料を無料とすることや児童ホームの利用料の免助、就学に係る学用品費や給食費の支給、さらには市立高等学校の授業料の免助、年金等の社会保険料の免徐、市営住宅に係る家賃の減免などがある。

生活保護が、受給できなくなった場合、これらの支援策については、制度の対象外となることや一定の負担が生じるなどの影響を受けることになる。

 

生活保護費の75%は国負担です。各種の施策の中で、国の負担が最も高いのが、生活保護制度だと思います。その生活保護費は、100%といっても差し支えないほど、市内消費に回ります。2011年度決算をみると、生活保護費に関する国庫負担金は約242億円、地方交付税の生活保護に関する基準財政需要額が、約74億円、合わせて、316億円が、実質的な国の負担となっています。その半額を生活扶助とすれば、158億円です。たとえば生活扶助費を1割削減するとすれば、単純に、16億円の影響が出ます。それに、生活保護の対象から外れる世帯、低所得者施策の対象から外れる世帯が出ることになり、それらに対する国の負担額も削減されることになります。

 

生活保護基準の引き下げは、市内に回るお金の総額が、削減されることになり、市内経済にも悪影響が出るのではないかと思いますが、答弁願います。

答弁

生活保護基準の引下げがなされるようなことがあった場合、市内経済に悪影響を及ぼすかどうか、明確には判断できない。

 

次に市財政とのかかわりです。

生活保護費など扶助費が増加し、その上、税収が増えないために、市の財政が厳しいと説明されてきました。

私は、10年前の、2002年9月議会で、生活保護費が本当に財政難の原因なのかと疑問を持ち、生活保護費の負担額と地方交付税との関係について、初めて質問しました。大変単純な発想ですが、市税収入が落ちれば地方交付税が増える。生活保護費が増えれば、これも地方交付税を引き上げる要因になる。地方交付税の役割は、財政力の異なる自治体間の財政調整機能と財政力の弱い自治体に対する財源保障機能を果たすものと何度も聞いてきたのに、との思いからです。国の基準どおり実施しているのに、市財政悪化の要因になるのは、おかしいと思い、市が負担している25%の額と基準財政需要額との比較表を出してもらいました。その当時、10億円程度の不足があり、基準財政需要額の不足を是正するよう国に求めるべきと質問しました。当局は、私の主張を認め、乖離をなくすように国に求める努力をしているとお聞きしています。

その後の乖離の実態も検証したいと思い、あらためて、2004年度から2011年度までの8年間の25%の一般財源負担額とそれに対する基準財政需要額の決算額を調べました。基準財政需要額の不足額は、2004年度8.18億円、05年度9.03億円、06年度9.43億円、そして、07年度11.80億円、08年度9.30億円、09年度11.13億円、10年度11.94億円、と毎年度不足し、2011年度は縮まりましたが、3.74億円の不足です。この8年間の不足総額は、74億5500万円です。尼崎市にとっては、決して、容認できる額ではありません。

 

8月24日、25日に、第4回生活保護問題議員研修会に参加し、武田公子金沢大学教授による生活保護費と地方財政の分科会に出席しました。その際の資料によると2000年度から2009年度の全国の自治体の生活保護費一般財源負担額の合計額と基準財政需要額の合計額は、国全体で見ると、ほぼ同額、ほとんど差がないグラフが示されていました。武田教授は、大阪市のように保護率が高い都市を除いては、生活保護の増加が自治体財政を圧迫するというのは、正しくないと説明されました。

先に述べた尼崎市のここ8年間を見ても、生活保護の一般財源負担額は、毎年、増加しています。しかし、基準財政需要額が一般財源負担額の増加に比例して増加しているわけではありません。10年前は、今よりも保護率は低かったのですが、一般財源負担額に比べて、基準財政需要額不足は、当時も10億円程度ありました。

 

質問

生活保護の増加が市財政を圧迫しているというのは、正しくないと考えます。問題は、基準財政需要額の不足にあると思いますがいかがですか。

答弁

生活保護費に係る基準財政需要額算定結果と決算額の乖離については、これまでおおむね10億円規模の乖離が生じていたので、国に対して、市の実態を需要額に反映するよう、要望してきた。その結果、平成23年度においては、乖離が大幅に改善したところである。

しかし、この乖離が改善してもなお、本市の財政状況は、逼迫した状況となっているが、こうした要因はひとつではなく、扶助費の増のほか、市税収入や収益事業収入の落ち込み、過去のまちづくりにおいて発行した多額の市債等の償還など、さまざまな要素が重なり合って結果であると認識している。

 

研修会で、私は、「全国的に、基準財政需要額と一般財源負担額とがほぼ同額ということは、生活保護費は、100%国負担にしても、厚生労働省の予算になるか、総務省の予算になるかの違いはあるが、国の負担額そのものが、増えるわけではないとの論拠になると思うが」と質問したところ、「論拠になる」といわれました。

質問

全国的にみた場合、一般財源負担額と基準財政需要額にほとんど差がないことを考えると、生活保護制度は、100%国庫負担とするよう求める根拠になります。この根拠も踏まえて、積極的に、100%国負担を求めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

答弁

生活保護制度のような、国の責務において全国一律の取り扱いがなされ、各団体において裁量の働く余地のない事業については、その全額が国庫負担で実施されるのが本来あるべきすがたであると考えている。

こうしたことから、生活保護制度については、全国市長会などを通じて、この旨、国へ要望を行っているところである。

なお、仮に生活保護制度が全額国庫負担に移行すると、地方財政計画全体が大きく組み替えられることとなるが、このことが、本市の財政運営に影響しないよう、あわせて配慮を求める必要があると考えている。

質問

また、市の幹部職員が、「職員の人件費削減分が、生活保護費に消えていく」といっているのを直接聴いたことがあり、ショックを受けました。市職員にも地方交付税との関係を正しく説明し、理解を得る必要があると考えますが、いかがですか。

答弁

職員に対する地方交付税を含めた財政制度全般に係る理解を深めるため、これまでも情報発信に努めてきたところである。

具体的には、平成22年度に、「本市の財政について」と題して、地方財政計画・地方交付税を含めた内容をまとめ、全6回にわたって、職員へ向けて周知を図っている。

また、今年度においても、先般、「尼崎市における地方交付税の現状と課題」という内容で資料をまとめ、職員向けに周知を図るとともに、試験や質問を募集しながら、理解の促進に努めているところである。

地方財政計画や地方交付税は、非常に複雑な制度であり、何回ではございますが、今後とも機会をとらえて、できるだけ分かりやすく、正確に情報を発信し、職員の理解が一層深まるよう、取り組んでまいりたいと考えている。

 

また、必死になって、働かなくても、生活保護になったら食べていける。生活保護は、働く意欲をなくしてしまう。という声もよく聞きます。働けるのに、働かない人を作るのが生活保護だといっているわけです。
生活保護法第1条には、「この法律は、日本国憲法第25条 に規定する理念に基き、国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする」とあります。

質問

先に述べたような状態があるとすれば、福祉事務所が、「自立を助長することにある」と規定している生活保護法の目的を定めた第1条どおりの取組を十分行っていないことを示しているといえるのではないでしょうか。

答弁

福祉事務所では、平成14年度から就労促進相談員を配置し、基本的な身だしなみから生活習慣の確立のための指導、履歴書の書き方から面接の受け方にいたるまでの助言、また、ハローワークへの動向訪問など、状況に応じてきめ細かく就労活動を支援してきた。

しかし、長引く経済・雇用状況の悪化などを背景として、就労活動を行っても、なかなか就職に結びつかないため、働く意欲の減退が懸念されている。

こうしたことから、平成23年度から「就労意欲喚起等支援事業」を、そして平成24年度からは、ボランティア活動等を通じて、自立に向けての意欲を高める「ボランティア・職業体験事業」を開始するなど、積極的に自立の助長に向けた取り組みを進めているところである。

 

2012年に入ってから、障害のある人と、その方を支えている2人暮らしの世帯で、支えている方が生活苦で亡くなられた後、支えられている方が餓死するなどの大変痛ましい事件が相次ぎました。生活保護の利用率、捕捉率の低さが影響していると考えられます。

3度も福祉事務所に行っているのに、追い返されていたことがわかっています。

生活保護世帯が増えたと大問題にされていますが、人口でみた場合の2010年の保護利用率はイギリス9.27%、ドイツ9.7%、フランス5.7%、に対して、日本は1.6%と、きわめて低いのです。保護率の高い国は、貧しい人の割合が高いのではなく、人権を守る制度として、利用しやすい制度になっているようです。
国や自治体の財政が厳しいといっても、日本全体が貧しいわけではなく、税制や社会保障制度による所得の再配分機能が十分に果たせない仕組になっているのが根本問題です。

所得の再配分機能を高めて、社会保障に必要な財源を確保し、一人ひとりの人間としての尊厳を尊重する社会にすることこそが求められています。

 大資本中心の経済対策から中小零細事業者も1人親方も支援され、地域内循環を高める経済政策に力を入れてこそ真に豊かで住みやすい、地域をつくるものと思います。

 力の弱いものを切り捨てる社会は、真に豊かな社会ではないと述べて、私のすべての質問を終わります。

市民の願い陳情採択 年金の特例水準解消反対

日本共産党尼崎市会議員団ニュースNo.141 (2012.7.22.)

年金額は物価が上がればあがり、下がればさがる仕組みになっています。過去の物価が下がった際に年金額を下げなかった分を、今後3年間で2.5%下げようとするのが特例水準解消です。

尼崎市民の平均年金額は、月42,000円です。特例水準解消により月1000円の減額となり、その影響は大変大きいものです。

党議員団は、低年金者の生活実態から年金の引き下げに反対する陳情と意見書の採択を求めました。本会議で反対したのは、新政会全員と新風グリーンクラブの4人でした。

2011年12月議会一般質問 早川すすむ:老齢加算の復活を

日本共産党尼崎市会議員団ニュースNo.136 (2012.1.22.)

12月議会一般質問 早川すすむ議員
生活保護「老齢加算」の復活を

生活保護制度の「老齢加算の廃止」をめぐって、尼崎市民を含む受給者が原告となり、国に復活を求めて裁判をおこなっています。

早川すすむ議員は、この問題に関連して、「老齢加算の廃止」が保護受給者だけでなく、低年金で苦しい生活を続ける市民に影響を与えている問題について、相談例を示し取り上げました。

90才近い寝たきりの母親を含む三人世帯。お風呂のない三畳・六畳と一畳ほどの台所という住宅で、食器棚などが置かれた三畳の部屋に母親を寝かし、息子たちは、その布団を踏まなければ台所にも、玄関にもいけません。

この世帯は、保険料と母親の介護保険の利用料を払うと、銭湯に行くのも始末しなければなりません。

早川議員は「この家族は『健康で文化的な生活』をおくっていると言えない。老齢加算の復活を国に求めよ」と質しました。

当局は、「現在、国が保護基準の見直しをおこなっている。市としては、老齢加算の復活は求めない」と答弁しました。

低年金高齢者の生活実態を見ない答弁だと厳しく指摘し、再考を求めました。

2011年12月議会討論 義村たまみ:給食調理民間委託 大島保育所移管問題 市住明け渡し訴えの提起 3議案に反対!

日本共産党尼崎市会議員団ニュースNo.136 (2012.1.22.)

2011年12月議会 義村たまみ議員

給食調理民間委託 大島保育所移管問題 市住明け渡し訴えの提起

市役所の責任が問われる 3議案に反対!

党議員団は12月議会で3議案に反対し、義村たまみ議員が反対討論をしました。

給食調理業務民間委託

一つ目は、2012年度に明城小と小園小の給食調理業務を民間に委託する内容が含まれている補正予算案です。学校給食の調理は営利追求の企業に委託すべきではありません。子どもたちに安全で安心な給食を提供できるよう、身分が安定している調理職員を配置すべきです。よって補正予算案には反対しました。

大島保育所問題

二つ目は、大島保育所の廃止条例についてです。保護者が「大島保育所の民間移管は違法」と係争中です。裁判中に廃止期日が過ぎてしまうので、廃止期日のない条例を定めました。すると、神戸地裁は、「大島保育所はまだ民間移管されていないから、訴えの不利益はない」と実質審議をしませんでした。市はこのままでは大阪高裁でも同様になるとし、廃止期日を定める条例改正を提案。

施行期日のない現行条例について、法学者は違法・無効だと言っています。党議員団もその見解を妥当と考えます。違法な条例は本来撤回すべきです。市長が撤回しないので、抗議の意を込めて反対しました。

市住明け渡しの訴え

三つ目は「市営住宅家賃の滞納者に明け渡しを求める訴え」を認めるかどうかの議案です。
今回、訴えられるなかに生活保護世帯が含まれていました。
生活保護世帯の場合、保護費から直接家賃を天引きできる制度があります。ところが、住宅管理課と生活保護課の連携が悪く、そういう手続きをせず、明け渡しを求める訴えをするというのです。
生活保護世帯を市営住宅から立ち退かせるための裁判費用だけでなく、引っ越し代も必要になり、家賃も高くなり、市の財政負担が増えることが考えられます。そして、何よりも、生活保護世帯への適切な支援が行われていなかったことが問題であり、党議員団は反対しました。

日本共産党尼崎市会議員団ニュースNo.136 (2012.1.22.)