9月議会・決算委員会での川崎としみ議員の意見表明です

 日本共産党の川崎敏美です。議員団を代表して2018年度決算とその他関連諸案件について意見を述べます。

 この10月1日から消費税増税が多くの国民が反対しているにもかかわらず、強行されました。今の経済情勢の下で、いくら国が軽減策を実施したからといって増税することは、日本の経済をより深刻な状況に追い込み、国民生活と将来に大きな禍根を残してしまいます。日本経済は、消費税増税が繰り返された90年代以降、低迷を続け、“成長しない国”になってしまっています。1997年~2017年の間に、世界の主要国のGDPは、アメリカ―227%、イギリス―170%、フランス―178%、ドイツ―166%などという伸びですが、日本は102%と20年間かけてほとんど成長しない、長期の低迷に陥っています。2014年の8%への大増税の結果、5年半が経過しても家計消費は回復するどころか、増税前にくらべて年20万円以上も落ち込むという深刻な消費不況に陥っています。働く人の実質賃金も年15万円も落ち込んでいます。8%への大増税が重大な経済失政であったことは明らかです。こうした実態があるにもかかわらず、このまま増税を続けることは、まさに経済成長できない日本をなお固定化してしまいます。消費税に頼る税制度の在り方を根本から見直していかなければならないと考えます。

 消費税増税と合わせて、就学前の3歳から5歳児の保育の無償化が実施されました。子育て負担軽減策として一定の効果が期待できますが、新たに課題も生まれています。非課税、低所得の世帯を除いて一番負担の重い0~2歳児が無償化の対象から外されています。保育需要が高まりますます待機児童が増えてしまう、5年間は認可外の保育施設の基準が満たされてなくても無償化の対象となることで、保育基準の形骸化が進行してしまう、新たな副食費の負担増、認可外の保育料の便乗値上げなどの問題が派生してきています。このような新しい情勢の下で市政は、国の政策に無批判に追随する方向ではなく、市民の暮らしに寄り添う市政運営がますます求められています。

それでは2018年度決算の個別の課題について述べてまいります。

まず、保育所の待機児童対策についてです。

尼崎市ならではの独自の保育士の処遇改善策を講じ、保育士確保を行う中で、基準が整っている認可保育所を増やしていく取り組みを優先させるべきです。小規模保育事業、企業主導型保育事業、従来の無認可保育所に頼る待機児童対策では、規制緩和が進み、子どもの安全や環境を守ることはできません。根本から改めるべきです。

②児童ホームの待機児童対策もなかなか進みません。民間の学童保育を活用することが優先されていますが、待機になった子どもの利用実績はわずかです。さらに児童ホームの待機問題は、別事業であるこどもクラブの運営そのものを困難にしています。待機児童が多い個別の児童ホームの対策とともに、早急に国基準1カ所当たり40人定員への転換のための具体的な全体の計画づくりと実行に、着手すべきです。

③認定こども園の数が14園から→今年度は17園と増えています。国の政策的な誘導で増えていっていますが、課題が山積していると思います。子どもの数が優に100人を超えての大規模化で保育、教育が保障されているのか、運営面では預かり保育と教育の垣根があり、計画やカリキュラムが適正に実施されているのか、実態を市が十分に把握、指導監督する必要があります。

④(児童育成費の)不用額について、少ない予算の下で不用額が生まれています。児童ホーム維持管理事業費で約110万円、こどもクラブ維持管理にかかるもので520万円、児童育成費全体では1695万円です。ただでさえ予算額が低く、現場が苦労している所はたくさんあります。現場からの意見や声をくみ上げる実態調査を十分に行い、必要なところには工夫して100%の予算活用をめざすべきです。

⑤病児病後児保育の活用が、予算4500万円に対して、600万円が不用額、3200人利用予定が2300人の利用にとどまっています。県総合医療センターの病児保育の使い勝手をさらに改善していかなければなりません。地域的には病児保育施設の配置の格差が生まれており、病児・病後児保育に取り組んでいただける医療機関への協力要請と助成策を強めるべきです。

⑥教育におけるいじめ、体罰、わいせつ問題等が相次いでいます。教育委員会としての、また学校の管理運営が問われています。しかし教育委員会と学校だけに責任を押し付けるだけでは、真の問題解決をはかることはできません。学校ぐるみ、地域ぐるみで向き合う取り組みが必要とされています。問題が起こったら、必要な情報も検討課題も公表、情報を共有する中で、だれでも意見が言える環境をつくることが重要です。問題解決のために共同の力が発揮できる体制づくりを求めます。

⑦あまっこステップアップ事業、2860万円の経費と時間をかけ、子どもたちの年間の学習のつまずきを克服するための手立てが、子どもたちにはふりかえり学習3枚のプリントを配布するだけ、しかも学年によってはどの子にも同じプリントが配布されており、個人のつまずきに応じてといった効果が期待できるのか疑問です。データ分析は子ども研究所とベネッセまかせで、研究の成果が得られるのはまだ先のことで、その見通しは不明です。子どもたちの学力向上の方策は、日常的な学習支援策として取り組める事業やクラスの少人数学級こそを推進すべきです。現状では、この事業は中止すべきです。

⑧学校開放事業、モデル事業が2年間実施されていますが、6校で施設使用がゼロといった状況では、先行した取り組みとなっていません。市は本気で地域に開かれた学校をめざそうとしているのか、市の学校開放事業に対する本気度が問われています。

⑨図書館サービス網関連事業、本市には図書館が2か所のみで、市民一人当たりの蔵書数は1.7冊、貸出数も他の中核市と比べてその水準は大変低いものとなっています。中央図書館、北図書館、ユース交流センター、生涯学習プラザ8か所、合計11か所で図書館サービス網が展開され、オンラインシステムにより図書の貸し出し、返却、資料検索等ができるとなっていますが、もっと図書館司書を介した図書利用の質的な向上に取り組むべきです。また、市民や子どもたちが図書に親しめる環境を整えていくうえで、すべての生涯学習プラザにも図書コーナーを設置、移動図書館を復活させるなど取り組むべきです。今ある図書館そのものを充実させていくとともに、新たな図書館づくりの構想についても検討すべきです。

⑩国保料、昨年度の国保料は広域化によって、一人当たりの保険料は平均で1万5千円下げられました。しかし協会健保に加入している世帯に比べて、年収が400万円で子ども2人の4人家族は2倍の保険料となっています。このような高すぎる国保料の重い負担が、全国平均よりも高い滞納世帯を生み出す構造となっています。市独自でもできる子どもの均等割りの制度を見直す、基金の活用等で国保料引き下げのための手立てをもっと尽くすべきです。市が独自に行っているあんま・マッサージ・鍼灸など、市民に喜ばれている事業は今後も継続すること。全国知事会が国に対して要望している1兆円の国庫負担金で国保料の大幅な引き下げについて、市も同様に要望すべきです。

⑪介護保険料、年金から天引きされていた介護保険料が普通徴収に代わる人が増えてきており、滞納者も増加しています。給付が減らされ、保険料も上がる一方です、高齢者に負担増と、事業者には経営困難をもたらす施策の見直しと改善をもっと国に求めるべきです。

⑫生活支援サポーター、研修を受けて生活支援サポーターとして資格を有しても、実際に仕事として登録する人が少ない現状です。生活支援サポーター制度は再考すべきです。人手がなくて、ヘルパーなどの有資格者が対応しているケースには、市は報酬を8割に引き下げるところを9割にとどめる努力をしていますが、求められているのはカットせずに元の報酬に戻すことです。

⑬障害者の院内介助について、障害者同行者支援で介護士が病院に同行する際、院内での介護支援は病院スタッフが行うというのが原則となっています。しかし、医療機関側の体制が取れていない所が多く、要援護者とのコミュニケーション問題もあって、利用者が私費でまかなったり、ヘルパーが無料でサービス提供をしたりするなど事業所の運営を圧迫しており、不都合が生じています。医療機関の側に院内介助の体制をとらせること、すべての関係者に介護保険サービスの算定対象とすることもできることを周知徹底すべきです。65歳未満の障害者自立支援サービスにも同様なことがあり併せて改善すべきです。

⑭障害者移動支援事業、身体介護を伴う重度障害者の移動支援の報酬単価が引き下げられ、外出できにくい状況が生まれています。重度障害者の移動支援の報酬単価は元に戻すべきです。

⑮生活保護については、ケースワーカーの担当件数が117件で、国基準の80件に遠く及ばない状況が続いています。定期的な利用者訪問ができない、迅速な問題の解決がはかれない、課題が増すばかりです。ケースワーカーの増員とともに社会福祉士の有資格者の配置を増やし、相談活動の質的な向上を求めます。

⑯こども医療費、県下全41市町の中で、中学3年生まで通院、入院とも無料化の制度が整っている市は36市町あります。高校3年生までは10市町で助成されています。中学3年生まで無料未実施の市は、豊岡市、川西市、伊丹市、神戸市、尼崎市の5市だけとなっています。取り残されている中学生までの所得制限なしの医療費の無料化制度を早期に実現すべきです。

⑰マイナンバーカード、マイナンバーはなりすましによる情報漏洩やプライバシーの侵害問題が完全に克服されていない不完全な制度です。マイナンバーカードの普及が目標の2万枚に対して1万5千枚となっており、普及が一向に進みません。マイナンバーがなかったら不利益を被るような申請制度や窓口対応の改善を求めます。

⑱公設卸売市場のあり方について、中学校給食センターの設置問題も決着し、懸案の新しい水産卸の入場も決まり、今後の卸売市場をどうするのかといった課題解決のための道が開かれたと考えます。公設公営を貫き尼崎の経済を活性化させる観点から、卸売市場の再生問題に早期に取り組むべきです。

⑲公営企業局の組織統合については、上下水道などライフラインを守る事業と収益事業のモーターボート競艇事業を一つにするのは、監査も指摘しているように問題があります。

⑳モーターボートの開設日数355日となっていますが、前年度より5日間減少しているだけで、地元合意の180日とは大きくかけ離れています。開催日数を見直すべきです。

㉑園田西武庫線、藻川工区では暫定道路として、幅1メートルの路側帯を自転車道が通る前提として整備するとのことですが、安全対策上、専門家は2.5メートルの自転車のための道路幅が必要としています。また地元の意見は、安全面から本線に自転車用の路側帯を設けないでほしいとのことです。地元の意見を汲み入れて見直すべきです。

㉒業務執行体制の見直し、アウトソーシングについて、アウトソーシングの効果額が2300万円あったと、この事業が推し進められています。アウトソーシングされた職場から新たに生まれた余剰人員は、人手が求められる職場に再配置されています。現状、超過勤務手当10億円が発生しており、こうした対策では職員不足が本当に解消できるのか見通しが立っていません。こうした対策以外に特別の対策が必要で、この事業の見直しが求められます。また、これまでの先行して行った業務執行体制の見直し、市民課窓口、サービスセンター、社協委託分などの5業務、今年度から始まった11業務(公園、道路、校務員、浄化センター等)について、以前の市職員が直接携わっていた業務との比較検証を行い、市民サービスの低下を招いていないか調査すべきです。

㉓パソナへの民間委託問題、コンビニの住民票等の発行数が大変低い水準にとどまっているため、公的な施設での住民票等の発行が減りません。市民課の窓口業務を受託しているパソナは、窓口での対応を増やすために最大の繁茂期に応じて人数を配置するため委託費が上がり続けています。以前の市職員が直接窓口対応していた時には、繁茂期は他部署から応援を要請して臨機応変に対応する等のことが行われていました。民間委託ではそれができない組織体制となっています。民間委託やアウトソーシングによって行政サービスの効率化がその目的の一つとされていますがその効果は本当に上がっているのでしょうか、検証が必要です。また偽装請負の危険はいつまでたっても解消されません。民間委託の見直しが必要です。

㉔債権管理、税の徴収強化が進められており、生活権を脅かす強制的な差し押さえ等が実施されないよう、徴収強化よりも丁寧な滞納相談に応じられるよう、十分な体制づくりを求めます。

㉕市民意見聴取プロセス、昨年度、雨水貯留管の建設計画の見直しや公共施設ファシリティマネージメントに関わる説明などで、市民の意見などが反映されていないと感じている場面が多くみられました。この制度の改革をめざすということですが、初期段階から市民意見聴取のための様々な取り組みが求められています。市民の理解を得て進めていくためには、ファシリティマネジメントの手法、公的なオンブズマン制度、住民投票の制度等、再考すべきです。

 以上で2018年決算と関連する案件についての日本共産党議員団の意見表明を終わります。ご清聴ありがとうございます。