予算特別委員会での徳田みのる議員が行った意見表明の発言です

 日本共産党議員団の徳田稔です。会派を代表して2019年度予算並びに関連議案に対する意見表明を行います。

 まず昨日、中学校における自死事案に関する第3者委員会の調査報告書が発表されました。亡くなられた中学生のご冥福をお祈りするとともに、ご家族の皆さんへお悔やみ申し上げます。教育委員会は、この報告書の提言を尊重し、対策と学校体制づくりを強く求めます。

今年10月から消費税率が10%に引き上げられる予定です。総務省の家計調査では、物価上昇分を差し引いた2人世帯の実質家計消費支出は、2014年の消費税8%への増税以降、急降下し、今でも年額で1世帯当たり25万円も減ったままとなっています。会派の代表質疑で、市長も「中小企業の4割が売り上げ減を予想していることから、本市経済への影響も懸念されるところです」と答弁されています。消費の低迷に対して、一定期間に限りキャッシュレスで買い物をした場合のポイント還元事業を実施するとしていますが、多くの零細な小売店は「レジを入れ替えることができないので関係ない」と語っています。また日本スーパーマーケット協会など流通3団体は昨年12月、ポイント還元の見直しを求める意見書を政府に提出しています。このように市民生活は依然として厳しい状況が続いています。市民の暮らしが大変な中で、市政がどのような役割を果たすのかが問われています。この点を踏まえて、個別事業に対して意見を述べていきます。

プレミアム付き商品券関係事業費

プレミアム付き商品券関係事業費についてです。前回の消費税率8%への引き上げの際にも実施されました。プレミアム付き商品券は,苦労して実施の割に効果は少なかったと言われており、やめるべきです。また来年度予算は、消費税10%への増税が前提の予算となっています。市民のくらしがたいへんななかで、税率引き上げ分を市民に転嫁すべきではありません。

あまっ子ステップアップ調査事業

あまっこステップ・アップ調査事業は、小学1年から中学2年生全員を対象に毎年実施するもので、一人ひとりの子どもの「つまづき」が分かり、その子に合った指導が経年的に可能となるので、一層の学力アップが期待できるとうたっています。しかし教育現場や子どもからは「テスト漬け」と批判の声があがっています。学校間に学力向上の競い合いが持ち込まれ、教育のゆがみを引き起こすことも危惧されます。テストに頼らず、少人数学級に関する人員や放課後学習のスタッフ人員の拡充で授業のつまづきをなくし、学習を確かな力にしていく支援こそ力を入れるべきです。高校普通科学区拡大によって尼崎の生徒が市内の高校に入学できなくなり、また入学しても満足度が低くなっていることを教育委員会は直視すべきです。

子どもの医療費助成

 尼崎の乳幼児・こども医療費助成事業は、県下自治体のなかで大きく立ち遅れています。来年度から就学前の所得制限をなくしますが、まだ他都市並みになっていません。今回、この医療費助成の事務処理費の見直しで、4800万円の財源が生まれています。もっと拡充できるのではないでしょうか。早期に中学校卒業まで所得制限なしで無料にすべきです。

保育所待機児童解消

 保育所の待機児解消についてです。代表質疑で市長は、「来年度の保育所待機児見込みは,第1次利用調整で、750人程度が調整に至っておらず、昨年に比べ70人程度増加しているため、4月時点での待機児数は増加の見込みです」と答弁されています。一方、市は待機児解消を急ぐあまり、阪急電車高架下に保育所を認可するなど、保育の質をなおざりにしています。待機児解消は、小規模保育事業に頼ることなく、保育の質を確保した認可保育園でしっかりと受け皿をつくる施策を進め、また、老朽化した公立保育所をただちに建て替えなどで、0歳児保育も含めた定員増を図るべきです。

公設児童ホームの改善増設

 市は児童ホームの待機児解消をうたっていますが、進んでいません。民間児童ホームを待機児解消として位置付けています。答弁で2018年の待機児が5月時点で411人でしたが、その後、民間児童ホームに行った児童は8人のみで、民間児童ホームが待機児対策となっていないことが明らかになりました。待機児が子どもクラブに流れ、子どもクラブの放課後の児童対策の本来の目的が果たせなくなってきています。公立の児童ホームを増設して待機児解消を進めることは待ったなしとなっています。

障害者移動支援事業

 障害児者移動支援事業費です。市はサービスの適正化・平準化などを理由に2017年に移動支援事業の新ガイドラインをつくり、報酬単価の見直しを行いました。その結果、予算額で2016年の10億1千万円から19年度では7億2百万円へ3億円も減額になっています。市はこの見直しで、障がい者の自立生活や社会参加が制限されていないと答弁してきましたが、事業所から、「報酬削減で移動支援事業のヘルパーが確保できなく、この支援事業はやめざるを得なかった」と聞いています。尼崎では障がい者がバスに乗って自由に移動できることが当たり前となっています。障がい者が安心して暮らしていくためにも、報酬単価は元に戻すべきです。

国保料の子どもの均等割りの減免

 国民健康保険は低所得者の加入が多いのに、保険料は中小企業の従業員が加入している健康保険、協会けんぽの2倍以上です。高すぎる国民健康保険料が、市民の暮らしを苦しめています。払いたくても払えない保険料のため、医療機関の窓口負担10割となる資格者証の発行が昨年度685件でした。全国民主医療機関連合会の調査で、保険証がないために受診でできず、医療機関に係ったときは手遅れで亡くなった人が、2018年1年間、傘下の医療機関で77人に上っていると発表しました。これは氷山の一角で、全国的には、相当数あると思われます。保険料を高くしている1つは、国保にしかない家族数に応じて係る保険料均等割、平等割があるからです。全国知事会は、政府に1兆円の公費を投入し、国保の均等割・平等割をなくし、協会けんぽ並みの保険料にと要望し、全国市長会も公費投入で医療保険間の格差解消を求めています。尼崎では、少なくとも子どもの均等割分を減額して、安心して払える保険料に近づけていくべきです。

介護保険

 市民は高すぎる介護保険料に苦しみ、保険料の引き下げが求められます。介護予防・日常生活支援総合事業が一昨年4月から始まりました。総合事業で、ヘルパーが対応する専門型サービスと無資格の生活支援サポーターが行う標準型サービスに振り分けられました。当初予測に反して圧倒的に標準型が多くなっています。来年度までの3年間で要支援者の生活支援を生活支援サポーターに移行させるとしています。この生活支援サポーターの養成は3年間で900人の計画ですが、現在35人程度しか就労していません。引き続きヘルパーが対応すれば、報酬は1割カット、将来は2割カットです。これでは事業所の収入が減り、要支援者への対応ができなくなってしまいます。生活支援サポーター制度は見直すべきです。

後期高齢者医療保険

 後期高齢者医療保険料も高くて市民は困っています。しかも低所得者の軽減の特例措置をやめ、保険料がアップします。保険料の引き下げを求めます。

 

雨水貯留管

 武庫分区雨水貯留管整備計画は、公園を施行箇所とすることを前提とした比較検討を行っていたが、寄せられた多くの意見を考慮する中で、山手幹線・尼崎宝塚線の基本整備ルートは堅持しつつ、シールドの残置案の導入や、公園以外の公共施設用地を立坑用地の候補地とする案などを複数作成し、現計画案と比較検討するため、計画を延期しました。当初の整備計画には、3つの問題があります。第1は、46.8ミリの6年降雨確率から51.7ミリの10年降雨確率に対応する、貯留管事業をすすめていく整備によって、どれだけの効果があるのかといったメリットが十分説明されていない。第2は、70ミリを超えるゲリラ豪雨対策にも有効であるかのような過大評価をこの事業に与えようとしたこと。第3に、市民が日常的に使用している公園やその周辺道路がこの事業のために一定期間閉鎖されることによって、市民の生活にただならぬ影響をおよぼすことを軽視した点にあります。立花地域の浸水対策には武庫分区雨水貯留管では限界があります。学校の校庭や公園貯留などと組み合わせ、総合治水対策として取り組んでいくべきです。 

公共施設マネジメント計画

次に、代表質疑で、第1次尼崎公共施設マネジメント計画(圧縮と再編)「今後の具体的な取り組み素案」に対し、今回の説明会の案内が説明責任を果たしているのかとの質問に、市長は「私自身も、市民の皆様への情報発信の方法や内容については課題があり、今後も改善を重ねる必要があると認識しているところです」と答えられています。また、市所有の福祉会館については、「老朽化が進行しているものから、比較的新しいものまであり、利用される頻度や使用料収入と維持管理費などに係る収支も様々な状況にあります。こうしたことから、今後、改めて各福祉会館の利用実態を把握し、施設の改修による長寿命化のための支援策なども含めて、個別に地域と十分な協議を行う」と答弁されました。公共施設マネジメント計画の推進では、市民と十分に話し合い、さらなる丁寧な対応を求めます。

アウトソーシング 業務プロセス分析

 業務プロセス分析事業費が増額され、さらなる業務執行体制の見直し、アウトソーシングが進んでいます。来年度は、公園維持管理、道路橋梁維持管理、北部浄化センター・ポンプ場維持管理、学校の校務員など様々な業務で進んでいます。アウトソーシングそのものについては、市役所の機能が大きく変わり、それによって市民生活の向上、市民サービスが引き上げられるのかと言えば、逆の現象が起こってしまうのではないかと危惧します。違法な偽装請負、市民の情報管理、職員の技術継承、災害時の対応など危機管理体制、現業職から事務職への転職に対するサポート制度の運用、職員の公務に対する意識、スキルの低下、民間労働者の供給問題など、課題となる問題が山積しています。市はより総合力を発揮できる役所づくりと言いますが、やみくもなアウトソーシングの導入は、市民サービスを低下させ、市政の発展には寄与しないものと考えます。この事業の実施の中止を求めます。

マイナンバーカード

 市は市民課窓口の利用の軽減を図るとして証明書のコンビニ交付を促すため、コンビニ交付説明会を開き、マイナンバーカードの取得を熱心に進めています。今後は、市内事業所や地域団体などに職員が出向いて受付を行い、本人限定の受け取り郵便で自宅に送付するとしています。マイナンバーカードは情報漏えいや、なりすまし被害が指摘され、多くの市民から不安の声が上がっています。マイナンバーカードの発行は、一度立ち止まって議論が必要です。そして市民の要求に応えて、武庫、園田、大庄、出屋敷に各種証明書発行窓口を設置すべきです。

その他

建築基準法の一部改正に伴う審査手数料を徴収するための条例改正が提案されています。これは既存建築ストックの活用促進のため、用途変更に伴う建築確認が必要となる規模を2倍に緩和することなどに伴う審査手数料を追加するものです。空家等の既存建築ストックを活用すること自体は必要なことです。しかし安全に関する規制を緩めるべきではありません。その安全面の検証も十分になされない段階での建築規制の緩和は時期尚早であり、その審査手数料は不要です。

 2017年に改正された新しい民法では、賃貸住宅の自然な劣化による修繕は貸主の負担と明文化されました。しかし市営住宅では、畳やふすまなどの自然な劣化による修繕は、いまだに借主の負担となっています。市営住宅の自然な劣化による修繕費は、新民法に基づき、市営住宅の設置管理条例を早急に改正すべきです。

旧塚口病院跡地の市有地部分の売却についてですが、尼崎病院と塚口病院の統合再編基本計画は県有地の方針で、市有地は関係ないとの答弁でした。

旧県立塚口病院の敷地の南3分の1は市の土地でした。統合再編基本計画は市有地部分も含まれるわけで、そのため基本計画では、地元尼崎市とも十分協調の上適切に行うと基本計画に、はっきりと明記されていることを指摘しておきます。

 県施行・街路事業地元負担金のうち園田西武庫線について、三菱電機構内の移転事業費の内容も非公開のまま、また地元合意ができていない中での地元負担金を支出することは認められません。

モーターボート競走事業会計については、住民合意である年間180日を超えての開催で問題です。

自衛隊募集に関して、住民基本台帳の閲覧などに応じることは、個人情報保護の点からやめるべきです。

最後に、市長は会派の代表質疑の答弁で、「今後のまちづくりは、地域の課題が複雑かつ多様化する中、これまで以上に市民、事業者、行政が共になって進めていく必要があり、より多くの市民の皆様の声に耳を傾け、対話を図っていくことが重要です。

そのため、施策の立案過程においてご意見をお聴きている「市民意見聴取プロセス制度」のさらなるバージョンアップが必要と考えており、より多くの市民の皆様のご意見をお聴きするため、市民説明会の形式だけではなく、市民との対話を重視した、タウンミーティングやワークショップを積極的に取り入れるよう制度の見直しを進めている」と述べられました。

市長は、この言葉どおり、これまで以上に市民合意を大切にした市政運営にあたられることを強く求めて、意見表明を終わります。

ご清聴、ありがとうございました。