9月議会・決算特別委員会で川崎としみ議員が行った意見表明です

 日本共産党の川崎敏美です。議員団を代表して2017年度決算とその他関連諸案件について意見を述べます。この5年間の安倍政権の下での経済の実質成長率は目標の2%に比べて年平均1.3%にとどまっています。消費者物価上昇率についてもこの5年間の上昇率は年平均0.7%で目標の2%を上回ったのは2014年だけでした。日本経済の復活再生はならず、デフレの克服もならなかったのが実態でアベノミクスは失敗だったというべきでしょう。 中小・零細企業の経営については、休廃業、解散件数が増加しています。この5年間で14万1千件、その前の5年間に比べて10%の増加となっています。家計調査という政府の統計で勤労者世帯の2017年の可処分所得(収入から税・社会保険料を引いたもの)を2012年と比べてみますと、5年間で2.2%しか増えていません。一方消費者物価の方は、消費税増税あり、円安による輸入商品の値上がりありで、この5年間で4.4%上がっています。差引、実質可処分所得は2.2%の減ということになります。勤労者世帯のくらしはそれだけ貧しくなったということです。これから先も消費税の再増税が計画、社会保障制度の改悪が続けられていきます。政府は社会保障費の自然増について削減路線を続け、2016年度から2018年にかけて毎年5千億円に抑える目標のもと年平均約1500億円を削減し、国民には新たな負担増・給付減を押し付けてきています。その影響は市民の生活に暗い影を落としこんでいます。また政府が掲げている「働き方改革」のなかで、女性活躍は一つの主要な政策課題であり、それとセットで保育整備も進められてきました。名城大学教授の箕輪明子氏は「2000年以降、低年齢児童を持つ母親の就業率は大幅に上昇している、その背景には1990年代以降の男性労働者の賃金抑制にある。労働者全体の賃金が下がる中で、高騰する教育費を捻出するためにも、既に女性の稼ぎは家計の補助的位置ではなく、不可欠なものとなっている。そしてそれは乳幼児期を抱える女性も例外ではなく、子育て期にある保護者たちの長時間労働が常態化している」といわれています。このような現状認識の下で、本市における施策を見ていかなければならないと思います。

 それでは2017年度決算の個別の課題について述べてまいります。まずは介護保険料についてです。市民は40歳から介護保険料を払ってきたにも関わらず、近年の介護保険制度の改悪は、多くの人が必要な介護サービスを受けられない制度となっています。真に持続可能な制度構築のための見直しとともに、国庫負担を増額し介護保険料と利用料の引き下げを国に求めていくべきです。介護予防日常生活支援総合事業については、有資格者のヘルパーが関わるものについては、報酬単価の2割カットを改めること、また生活支援サポーターについては、受講者数の割に就労者数が極めて低く制度のあり方が問われています。

 生活保護については、ケースワーカーの利用者訪問が少ないことによって、例えば生活費の管理がままならない利用者さんへの対応がたなざらし状態など、問題の解決が迅速になされず課題が取り残されています。まずはケースワーカーの増員とともに社会福祉士の有資格者の配置を増やし、一人当たりの担当件数を減らすこと、相談活動の質的な向上が求められています。

 生活困窮者学習支援は低所得者と生活保護利用世帯の中高生に向けて、奨学金や様々な手続き等の積極的な情報提供、ケースワーカー、NPOや地域とも連携して、子どもが勉強できる環境を整えていくことを求めます。堺市が行っているような、中高生向け未来応援ブック「ココから!」などを参考にした取り組みで、生活保護利用家庭の子どもたちが、将来の夢が描ける相談活動を充実させることを求めます。

 子ども医療費については、日本共産党議員団はここ数年来毎年のように拡充を要望してまいりました。市の考え方が福祉的なとらえ方からファミリー世帯の定住転入の促進のためにと考え方を変えてきていることは評価します。しかし、他市が実施している支援策が効果が得られているのかといったことを調査検討したうえで、実施の検討をすると未だに言い続けることに子育て世代は納得をしません。全庁的な優先課題として位置付けているのですから、中学校卒業までの医療費の所得制限なしでの無料化の実施に踏み切ることを要望します。

 障害者の移動支援については、報酬単価の見直しが行われたことによって、重度の障害者が利用しにくくなっている実態が生まれています。障害者が家の中に閉じ込められ、以前より自由に街に出ていくことができない状況となっています。すべての障害者に公平に事業が行われ、事業者が撤退するような事態をつくらないような制度にしていくことを要望します。

 保育所と児童ホームの待機児童対策について、まず保育所については、公的な責任を後退させ、小規模保育事業など規制緩和を優先したものであってはなりません。保育士の処遇改善とともに保育士確保を行う中で、従来の認可保育所を増やしていく取り組みを行うべきです。この10月に阪急の高架下に新たな保育所の認可が発表されています、いくら園田地域の待機児童対策と言っても、電車が通り騒音と振動がひどい環境下での保育所の設置は問題です。児童ホームについては、待機児童対策を民間の学童保育に委ねていく方向は認められません。尼崎の学童保育は公設公営で校内に建物があるというのが全国からも評価されてきたところです。1カ所当たり40人定員への国基準への転換のための3年の猶予期間が終了しています。児童ホームの待機児童対策を含めた1カ所40人定員実施へ向けた具体的な全体の計画づくりに、早急に着手するよう求めます。

 トライやるウィークで自衛隊を活用することは認められません。

 不登校対策については他市よりも多い不登校を抱えている市として、その実態を把握し、原因究明を行っていく取り組みが大切です。子どもの育ち支援センターの開設が予定されていますが、情報は支援センターに集約、各機関と共有し連携する、具体的な対策は「はつらつ学級」や「サテライト学習支援事業」のカ所数を増やす等充実させ、市内各地でサテライト的に対応することを求めます。

 少人数学級への加配は、先生の負担を軽減します。一人ひとりの子どもに寄りそう教育をすすめていくうえでも、早急に小学校5年生以上中学3年生まで35人以下学級の実現が求められています。

 中学校給食の実施が2022年6月では遅すぎる、早期実現をめざすべきとの根強い声があります。小学校のように自校調理方式と親子方式等の組み合わせで行えば、高槻市の事例が示すように早期に行うことが可能であり、1か所でのセンター方式を見直すべきだと考えます。また弁当事業は中学校給食が実現できるまで、弁当を持ってこられない生徒のために継続すべきと考えます。今の弁当はおいしい小学校の給食を食べてきた中学生には、おいしくないとの意見があります。弁当事業の効率化、コストカットを求めるあまり、従業員の労働時間も削られ、出汁をとっていないかのようなまずいスープがつけられているなど、リピーターが発生しない悪循環に陥っているとの指摘も学校関係者から寄せられています。教育委員会は、実効的な改善対策を行うべきです。

 園田西武庫線については、工事費の負担増に伴って市の負担は44億円から50億円に増えています。工場内の移転交渉も非公開のままであり、地元住民との用地買収も進まない中、負担金のみを支出するのは問題です。

 空き家対策については危険な老朽空家対策には時間がかかりすぎるなど、効率的・効果的な取り組みが求められています。また空家の利活用について、DIY などの取り組みがされていますが参加人数が課題となっています。住宅リフォーム助成制度などを実施する中で利活用推進の取り組みを行うべきだと要望します。

 雨水貯留管については、計画策定段階から住民に対する説明を怠ってきたことが、現在の混乱状況、市への不信感を生み出しています。先に予算を決定した後での計画の説明会では、他の計画や代替え案についてなぜ検討されなかったのか、実際に内水浸水対策でその効果がどこまであるのか、等の疑問の声が上がっています。住民合意が得られない限り、建設着工は行わないことを求めます。

 モーターボート競争事業のセンプルピアの開催年間日数360日は、地元との合意180日を大きく超えています。改善を要望します。

 地域振興体制の再構築については、指定管理者を選定しなければならないといった理由から見切り発車的に、地区会館や公民館の名称が生涯学習プラザに変えられました。自治の街づくりを進めていくための目的のためにということが、十分に住民に理解される、そういった環境を整えたうえで行われるべきだったと思います。

 公民館をなくす重大な決定がなされ、社会教育を新しい施設でどう担っていくのか、職員や住民はどうかかわっていくのか不明な点が多すぎます。昨年度の1月に出された尼崎市社会教育委員会議の答申には「公民館は基本的人権の尊重、平和、民主主義などを実現するための教育の場であるとした上で、公民館を社会教育ではなく、自治のまちづくりを推進するための学びと活動を支える施設として位置付けることになれば、事業実施においては、ブームや時勢に沿ったものばかりを扱うことが危惧され、また、時間の経過とともに、人権教育事業、平和教育事業、家庭教育に関する事業、生涯学習に関する事業等が継続的、安定的に実施されなくなる恐れもある」と指摘されています。それそれぞれの施設ごとに運営協議会などを設置すること等、十分に住民の理解を得ていく方策の検討を要望します。

 国民健康保険料について、50億円の財源が生まれています、当局の見解とは違いますが、私どもは国保料が高すぎたから生まれた財源だと考えています。市はこれをフリーハンドで使えるものとして繰越金としていますが、むしろ基金として活用し、高すぎる国保料を引き下げるために活用することを要望します。

 地方公設卸売市場は将来のあり方が問われています。中学校給食のための工場用地の検討や、水産卸の入場問題で先送りしている感があります。早急に地方公設卸売市場は公設公営で、尼崎の経済を活性化させていくという観点から、そのあり方の検討を早期に再開することを求めるものです。

 産業振興推進会議のあり方についても、情報公開を原則とすべきです。公募の委員を含めた会議体へ充実する必要があると思います。小事業所のニーズ把握と情報提供について、悉皆調査の検討とともに、中小業者の意見を積極的に取り入れ、産業振興の対策をとるよう要望します。

 ふるさと納税についてです。市外からの寄付の入りと市内からの他市への寄付の出を計算するには3年を経なければ収支が計算できないということで、2016年度の試算の報告を受けました。結果は7000万円ぐらいの相当なマイナスということです。2017年度も同様と思われます。尼崎にとってはふるさと納税は逆風となっています。全国的にも自治体間の人気の返礼品を競うという状況が生まれおり、特産品を持たない自治体がよその人気商品を持ってきて税収を競うということは本来の目的からも外れており、制度自体の見直しが求められています。

 防災については、大阪北部地震と台風21号がもたらした被害は甚大なものでした。特に何十年ぶりかという全市に及ぶ停電と強風による被害は、市民に深刻な状況をもたらしています。高層階に住む高齢者や障害者が取り残される等、災害時要援護者への対応策が発揮されませんでした。市民に対する情報提供のあり方と伝達手段、住民の避難行動や救援を地域と協力してどのように進めていくのか、新たな防災対策の見直しが必要とされています。

 公共施設の再編、ファシリティマネジメントについて、1件1件の公共施設の具体的な計画に対して市民への丁寧な説明を行い、理解を得ていくことが求められています。今後10年間の計画を定めている、「方針1圧縮と再編」で示されている施設について、特に地区体育館や老人福祉センター、身体障害者福祉会館やあぜくら分場及びあいあい分場の廃止や立花公民館の機能移転については、計画の見直しを求めるものです。

 業務プロセス分析の事業が継続して行われており、コンサルに依頼し市役所の業務をアウトソーシングすることが急速に進んでいます。2017年1月から市民課の窓口が民間委託され、様々な問題が指摘されてきました。偽装請負の問題も浮上していました。また、マイナンバーカードが目標通りに普及できずに、コンビニ等の利用者が増えないため、窓口業務が追われる状況が生まれています。ここにもマイナンバー制度の問題点が表れています。民間委託以前では他部署からの応援で乗り切るということもなされていましたが、現状ではこうした対応を行うことができません。結局は委託料の問題となってしまいます。アウトソーシングすることによって、職員にとっては業務が民間に置き換えられて本当に継続できるのか、次の職場はどこになるのか不安の声があります。職員のスキルを低下させることにもなる、やみくもなアウトソーシングは中止することを求めます。

 以上で2017年決算と関連する案件についての日本共産党の意見表明を終わります。ご清聴ありがとうございます。