6月議会の市長提出議案に対する,こむら潤議員の反対討論です

 日本共産党議員団のこむら潤です。会派を代表いたしまして議案第71・72・73、75及び64号に対し、反対討論をおこないます。まず、地区会館・公民館をあらため市内に12か所の『生涯学習プラザ』を設置するという条例の制定と、それに伴い地区会館及び公民館の設管条例を廃止する議案第71号、生涯学習プラザの設置に伴う尼崎市指定管理者選定委員会条例の一部を改正する議案第72号、および尼崎市役所支所設置条例を廃止する議案第73号についてです。教育委員会の所管のもと、社会教育法の理念に基づいて、公正中立な立場で、市民の豊かな教育・学習の場として発展してきた公民館を、「社会教育法」のくくりから外し、地域自治のための学びと活動の場としての生涯学習プラザにする体制変更は、教育基本法の理念に基づくとされていますが、社会教育の意味合いは弱くなり、市民一人ひとりの純粋で自由な学びを、将来的に脅かす危険性をはらんでいます。6月議会の「地域振興体制の再構築で述べられている学びとはどのような学びか」との我が会派の質問に、市は「地域の方々が自らを取り巻く課題を知り、考え、解決に向け取り組む地域をめざして、まちに関わる人々がそうした課題に“自分事”として関わって行けるように学びを重視」することだと答弁されています。しかし本来、社会教育とはもっと個人の豊かな学びが尊重され、その機会を保障されるべきものです。これまで公民館の運営について方向性を審議してきた公民館運営審議会からも、大きな懸念が示されています。公民館では許可されていなかった「営利目的」での使用や「飲食・飲酒」については、個々の施設ごとにルールを決めていくと言いますが、教育的観点と地域施設の利便性の間でどう折り合いをつけるのか、施設間の公平性は保たれるのかなど、新体制のビジョンが非常に曖昧なまま進もうとしています。それならば現行の施設体制のままで教育委員会と市長部局が連携を強めれば良く、生涯学習プラザという施設に変える必要性がないと考えます。また、実際施設を利用する立場の市民の要望や意見が、十分聞き入れられていない点も問題があります。本市が地域振興体制の再構築への市民意見を聴取したとするパブリックコメントと市民説明会の段階では、「生涯学習プラザ」という新施設の具体的ビジョンはまだ入っていませんでした。これでは市民に説明したとは認められません。中身がわからないものへ、条例をまず先行して制定すると言われても、何の担保もなく不安要素しか感じられません。よって性急に生涯学習プラザの設置を進める議案第71号、及びこれに関連する72号・73号には反対をいたします。

 次に、尼崎市モーターボート競争場施設改修工事に関連する、議案第75号・第64号についてです。今回のモーターボート競争場施設改修は、施設の維持管理費を削減することで純利益を増やすことが目的とされています。しかし改修による維持管理費の削減効果について2月の協議会案件で「試算する」と答弁されましたが、6月議会でも試算は示されておらず、総工費44億円をかけて改修することは容認できません。デザイン・ビルド手法による工事は、実質、請負可能な業者は大手に絞られ、地元業者の受注の機会が減ってしまいます。また、地元説明会はトラックの出入りなど工事に関するものだけを行い、改修内容については、防犯上の安全確保のため地元とはまったく協議しないとのことです。現在、モーターボート競争場の敷地を使用して、毎年、社会福祉協議会大庄支部が主催する大庄まつりが開催されていますが、この改修で大屋根を撤去するとなれば、雨天対策がとれず大庄まつりにも影響し、周辺地域への貢献という役割は果たせなくなってきます。地域では「売上がここまで落ちてさらに改修したところで意味がない。」「女性やファミリー層の集客を見込むというが、そもそもファミリーでギャンブルに行くことを市が勧めないでほしい」という声もあります。かつて20年前にも約190億をかけて「ファンサービス向上のため」「ファン層を、女性やレジャー志向の若い世代にひろげるため」と観客用メインスタンドを作りましたが、利用客は直近の三年間を見ても2014年:40万人、2015年:39,5万人、2016年:36,1万人と減少の一途をたどっています。集客の読みは的外れでした。また同じことを繰り返すのでしょうか。市は「市政への貢献」をモーターボート競走事業の意義としてあげますが、地域を大切にせず、経済的貢献すら先行きが見えない状態で、市民の理解が得られるとは思えません。市民の声を聞かない改修、先行きの具体的な展望も示されない改修は認められません。よって議案第75号・64号には反対をいたします。

 以上で、日本共産党議員団の反対討論を終わります。皆様ご賛同いただきますよう、よろしくお願いいたします。