予算特別委員会の徳田みのる議員の意見表明の発言です

 日本共産党議員団の徳田稔です。会派を代表して2017年度予算案並びに関連議案に対する意見表明を行います。

情勢

 大企業の経常利益は3年間で1.5倍に、内部留保は52兆円積み増し、過去最高の386兆円に達しています。労働者の賃金は1.4%の伸びにすぎず、消費税の増税もあり、実質賃金は大きく減少し、安倍政権発足前と比べ、年収で19万円マイナスです。家計消費も15カ月連続で、前年割れをしています。国民生活基礎調査では、この20年間、生活が「苦しい」と答えた人が、42%から60%となる一方で、「普通」と答えた人は、52%から36%になりました。「普通」に暮らしていた人々が「苦しい」生活に追い込まれていることを現しています。いまや、リストラ、病気、介護などで、誰もが貧困に陥ってしまう社会になってしまいました。こうした社会のたて直しが、政治課題となっています。消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数は、2016年は前年より0.8%悪化して25.8%と1987年以来29年ぶりに高水準となっています。また2017年度予算で個人市民税は、納税義務者数の増加等により増えていますが、地方消費税交付金は5.2%減少し、家計消費が落ち込んでいることを示し、市民生活は依然として厳しい状況を現しています。この様に市民の暮らしがたいへんな中で、市政がどの様な役割を果たすのかが問われており、その点を踏まえ個別事業に対して意見を述べていきます。

公共施設マネジメント推進事業

 公共施設マネジメント推進事業に対し、市長は、機能が継続できるよう,他の公共施設などへの機能移転について検討を行うと答弁されています。機能移転をすることとは、やっている事業を別の場所に移すことで、いまの施設を廃止することです。サービス低下を招かないのか、事業の縮小にならないのか、市民への説明が不十分です。建物があってこそ機能が成り立ちます。利用者の声を聞いて必要なものは残すべきです。

業務プロセス分析事業、共通番号制度導入並びに税務関帳票関連事務事業

 すべての業務を検討する業務プロセス分析事業が計上されています。市職員は通常の業務以外にも災害時の対応なども欠かせません。また業務の技術的蓄積も必要であり、アウトソーシングは再検討すべきです。

共通番号制度いわゆるマイナンバー制度に関するものです。この制度の拡大に対しては情報漏えいなど、引き続き多くの市民から不安の声が上がっています。一度立ち止まって議論が必要です。今年給料から天引きする市民税額の通知書に従業員のマイナンバーを記載して、5月に事業者へ送付するとしています。マイナンバーを記載して通知することはやめるべきです。

中学校給食

 中学校給食検討委員会報告書が今月に出されます。まず市民意見聴取プロセス制度に基づき、熟度の低い段階で報告書を公表し、市民意見を募り、それを踏まえて素案を作成したのち、パブリックコメントを行ったうえで行政計画を作成するとなっている。六星会から中学校給食は自校調理方式で実施を求める要望書が提出されています。市民の意見を十分に聞いて、行政計画を作成することを要望します。

不登校対策

旧聖トマス大学跡を、ひと咲きプラザとして整備しようとしています。危惧されるのが、不登校対策事業と青少年センターの問題です。子どもたちが利用する施設が、市内の北東部に位置し、多くの地域で住まいと遠く離れているのは問題です。青少年センターは、放課後の子どもの居場所、活動の場としての役割を果たしています。利用者は近隣の子どもがほとんどです。公共施設マネジメント計画の中で、青少年センター機能を移転する方向性が示されています。不登校対策事業では、6地区でのサテライト学習支援として公民館等での学習支援の拡充が打ち出されています。しかし、適応教室・はつらつ学級や、青少年センター機能を、交通の便が悪い、ひと咲きプラザに移転することで、果たして全地域から子どもが集まるのでしょうか。

子どもの実態調査

 子どもの生活に関する実態調査が行われます。この事業は、子どもの貧困対策の効果的な支援のあり方を検討し、貧困の連鎖を断ち切る施策の立案に活用することを目的に、現状を正確に把握するため実施するものとされています。NHKが放映したドキュメント見えない貧困では、子どもの貧困を放置することで、進学率の低下、非正規雇用の増加、収入の減少がおこり、42.9兆円もの経済損失があると試算されています。市の行うこの調査に基づいて、こどもの貧困対策の強化を求めます。

就学援助金額と時期

 就学援助についてです。国の予算案で、生活保護世帯と同程度に困窮している、要保護世帯にたいする就学援助のうち、新入学児童生徒に対する入学準備費用の、国の補助単価が約2倍に引き上げられました。要保護世帯への補助単価引きあげによって、准要保護世帯の就学援助についても増額が必要となっています。入学準備金について、支給時期を前倒しする自治体が増えています。国会で日本共産党の畑野君江衆議院議員の質問に、文部科学省の初等中等教育局長が、独自に小学校の入学前支給を行っている市町村の動きを踏まえ、国として検討を行っていると答えています。そして実施および予定自治体は156市町村に広がっています。子どもの貧困が問題化するなか、準要保護世帯の入学準備金の増額と前倒し支給に対し、教育長は「国の地方財政措置の状況を確認する中で判断する」と答弁されていますが、早期の増額と前倒し実施を求めます。

子どもの医療費

 次に子どもの医療費についてです。ファミリー世帯の定住・転入を促進するために子育て支援として、子どもの医療費無料制度は欠かせません。こども医療費の無料化は、貧困対策ではなく、多くの子育て世帯の強い要望となっています。県下の自治体でも子どもの医療費は、通院も入院も中学3年生まで無料がほとんどであり、小学4年から中学3年までが2割負担なのは尼崎など3市のみとなっています。このままでは中学校給食と同様に、県下の自治体からも取り残されてしまいます。昨年12月六星会の市長要望書にも、中学3年生までの医療費無料化が含まれています。ただちに中学校卒業までの子どもの医療費無料化を求めます。

保育所待機児童、法人保育園施設整備

 保育所の待機児についてです。2016年4月1日現在、希望するが保育所に入所できない市内の待機児は295人に達しています。小規模保育事業に頼る待機児解消策は万全とはいえません。認可保育所を増やして、大幅な定員増で問題解決を図る方向へ計画を変更すべきです。

 市は、昨年第4次公立保育所民間移管計画を発表し、45カ所から21カ所にまで減らしてきた公立保育所を、最終9カ所にすることをめざし、当面6カ所の民間移管を2019年から毎年1カ所ずつ実施するとのことです。移管後の事業主体について、公共性の高い社会福祉法人を基本とするとありますが、社会情勢や他都市等の動向も勘案する中で公立保育所を安定して継承することができる他の事業主体の可能性についても検討を行うとして、企業参入を否定していないことは問題です。公立保育所の今後の基本方向、計画の見直しを求めます。

公立保育所の建て替え

 公立保育所の建替えについては、今後10年間に北難波、大西、武庫東保育所を順次建替えるとのことです。市が残す中には、このほかに築49年の武庫南、築48年の次屋、築45年の杭瀬保育所があります。建替え地の確保ができていないとして、建替え計画がありません。杭瀬保育所は鉄筋コンクリート造りですが、壁塗料にアスベストが含まれていることがわかり、しかも剥離し危険となっています。新年度の緊急補修工事は必要ですが、早期の建て替えを求めます。

法人保育園児童検診助成

 法人保育園児童検診助成についてです。市長の答弁で、国の見解は、検診費用は公定価格に含まれている。しかし、年間通じてではなく必要に応じておこなうものに対応しているとのことでした。これまで市が行ってきた、この事業のうち、付加報酬は公定価格に含まれていますが、年間を通じて相談や連携をとっている嘱託医の基本報酬は含まれないことが明らかになりました。法人園長会、医師会と現時点でも合意は得られていません。

 法人園長会は、これでは保育園の運営に大きく影響し、検診が継続できなくなる、医師会も会長がパブコメで、非常に重要な事業である。30年間、他市にない貴重な取り組みを行ってきたと述べられています。事業廃止はいったん中止し、合意できる点を探る努力をすべきです。

病児病後児保育

 病児・病後児保育についてです。この制度は共働き家庭にとって、子どもの病気で仕事を休まなければならない状況は過酷です。協力していただける医療施設は、武庫地域2か所、園田地域1か所に、今回、県立尼崎総合医療センターの1か所を加えて4か所となりますが、地域的に偏重しているのは、課題です。安心して子育てできる環境を、均等に保障するために、病児・病後児保育を6行政区に各1カ所設置を求めます。

児童ホーム待機児

 児童ホームの待機児問題についてです。尼崎の児童ホームの待機児の現状は、昨年度の全国の放課後児童健全育成事業が利用できなかった待機児は、中核市47で3400人です。尼崎市は344人。中核市全体の1割を占め、八王子市に次いで、全国2番目の多さです。児童ホーム整備事業では、入所希望児童が、児童ホームに全員入所できるよう、定員数の拡大を図ることは喫緊の課題です。新年度では、小園児童ホームの増設のみで、これでは解消できません。児童ホームの待機児解消は、ファミリー世帯の定住・転入促進にとっても重要課題で急ぐべきです。

障害者移動支援

 障害者移動支援事業についてです。移動に困難性を抱えた障がい者の外出を支援するサービスです。2年間にわたり協議を重ねてきて、新たな報酬や単価区分を設定したと答弁されましたが、1億2千万円と大幅な報酬引き下げとなり、事業所の皆さんから悲鳴の声が上がっています。報酬単価は現行のままにとどめることを求めます。

保健福祉センター

  (仮称)保健福祉センター整備事業で、乳幼児検診の場所が遠くなり、また保健師さんが地域にいなくなるなど、市民サービスの低下につながっていきます。乳幼児検診など地域保健活動は複合施設などを活用し、地域で出来るように整備すべきです。

国保料

 国民健康保険についてです。尼崎の国保料は高い水準が続いています。来年度は国保料の賦課限度額を年間85万円から89万円にすることは、市民生活を痛めつけることになり、国保料引き下げのためにさらなる努力が必要です。広域化に伴って、国が財政支援することで、尼崎市の法定外繰り入れが浮いてくる可能性もあり、保険料引き下げに使うことができます。市長の英断を求めます。

老人医療費補助

 次に老人医療費助成事業の廃止と高齢期移行助成事業創設についてです。これは県の第3次行革プランに対応して、65歳から69歳の高齢者を対象とした老人医療費助成事業を廃止し、新たに高齢期移行助成事業を創設するものです。新たな助成事業では、所得基準は同じながら、その中でも要介護2以上に助成対象を限定したことです。低所得の高齢者を、制度から外し、新たな負担を押し付けるものです。しかも市の影響額は8人分、わずか29万4000円です。老人医療費助成事業は継続すべきです。

特別養護老人ホーム建設

 特別養護老人ホームは、国が入所対象を2015年から原則要介護3以上と限定したのに、待機者数は増加し、16年は310人にのぼっています。計画では、2015年から3年間で特養2カ所200床、小規模特養1ヵ所29床建設とありますが、全く作られていません。在宅介護が困難な人とその家族にとって、深刻な問題です。民間の介護付き有料老人ホームが増えていますが、低所得の高齢者が多い尼崎だからこそ、安心して生活できる特別養護老人ホームの整備を急ぐべきです。

介護予防・日常生活支援総合事業

 介護予防・日常生活支援総合事業についてです。この事業では、新年度300人のサポーター養成を計画していますが、計画通り進むのでしょうか。2018年度サポーターが確保できず有資格のヘルパーが対応しても、訪問型標準サービスの報酬単価は10%カット、2019年度からは20%カットをすでに決めています。これは900人のサポーターを確保することが前提です。サポーター養成が思うように進むとは思えません。訪問介護事業所の報酬削減は先延ばしすることを求めます。

金楽寺借上げ住宅、市営住宅等審議会条例

 金楽寺の借上げ復興住宅の入居期限が来年8月に到来します。アンケート調査が行われ、継続入居を希望されているが、要件に合わない入居者が18世帯あります。継続入居を希望される世帯はすべて認めるべきです。

 市営住宅等審議会条例についてですが、自治機能や防災・防犯対応力の強化は必要ですが、家賃値上げにつながらないよう望みます。

園田西武庫線

 県施行・街路事業地元負担金のうち園田西武庫線について、御園工区の地元説明会が行われ私も参加しました。地元の皆さんは納得していません。藻川工区も地元住民との合意も得られていません。三菱電機構内の移転事業費の内容も非公開のまま地元負担金を支出することは問題があります。

モーターボート競走

 モーターボート競走事業会計については、住民合意である年間180日を超えての開催は問題です。

最後に

 最後に、稲村市長は施政方針で、自治のまちづくり条例制定の目的として、まちの課題が多様化する中、市民と行政が共に学び、考え、それぞれの力を出し合い、主体的にまちの課題解決に取り組むことが求められている。まず職員が先頭に立ち、強い自覚と責任感のもと、地域で学び、地域とともに行動していく姿勢を示すことが重要だ。この条例は職員の行動規範を大きく変える契機にして行くと決意が述べられました。ところが、公共施設マネジメント計画の推進、法人保育園児童検診助成の廃止、社会福祉法人への借地料減免の見直しでも、まちづくり条例の制定趣旨とはかけ離れていると感じざるを得ません。市民の生活実態を直視しないで、一方的に市の考え方を市民に押し付けるものとなっています。市民合意のとり方に問題があることを指摘しておきます。以上で日本共産党議員団の意見表明を終わります。