6月議会・松沢ちづる議員の一般質問に対する当局の答弁です

質問

尼崎市が直面しているのは、超高齢社会や、在宅の重症患者の増加の中で持続可能な介護保険制度の運営確保という問題との認識でよいのか。

答弁

少子高齢化の進展に伴い、介護や支援が必要な高齢者が年々増加する中で、「共助」の仕組みである介護保険制度につきましては、国において様々な見直しが行われてきましたが、社会保障制度として持続可能な運営を図ることは、本市のみならず、自治体に共通する極めて重要な取組みであると考えております。一方で、今後、更に深刻化が懸念される重度在宅介護の増加や、団塊の世代の後期高齢化に対応しつつ、高齢者が住み慣れた地域で生活を維持できるようにしていくためには、従来の行政主体の「共助」や「公助」の仕組みだけでは限界があるものと考えております。とりわけ、単身の高齢者等が多い本市において、今後、高齢者を取り巻く様々な課題に、より的確に対応していくためには、地域の多様な主体による「自助」と「互助」の仕組みを含め、医療、介護、介護予防、住まい、生活支援を包括的に確保していく「地域包括ケアシステム」の構築こそが、本市が今後さらに取り組むべき最も重要な課題であると考えております。

質問

サービス利用の入りロを基本チエックリストではなく、要介護認定調査に決めた理由は何か。

答弁

厚生労働省のガイドラインでは、要介護認定を受けなくとも、基本チエックリストを活用し、生活機能の低下がみられた場合には、サービスを受けることが可能とされております。しかしながら、支援が必要な方に必要なサービスを効果的にご利用いただくためには、まず申請者が自らの身体状況や介護環境等の現状を認識し、家族や、支援を行う介護従事者と必要な情報共有を図ることが何よりも重要であると考えております。加えて、要介護認定を受けることで、訪問看護や福祉用具の貸与などの介護予防給付サービスの利用の可否確認をはじめ、利用者の既往歴などの医療情報を主治医から得られることで、利用者の自立支援や介護予防のためのより効果的なケアマネジメントが行いやすくなることから、本市では、要介護認定を受けていただくことを基本に考えております。

質問

市内の65歳以上の就労状況はどうなっているのか。

答弁

市内の65歳以上の就労状況につきましては、公表されている直近の平成22年度の国勢調査結果によりますと、市内の65歳以上の就業者数は、19,692人となっており、老年人ロ(65歳以上)106,070人の約18.6%となっております。

質問

市は、ボランティアやサポーターの確保がどの程度可能と考えているのか。

答弁

現在、本市では、多様な主体の事業参画を図るため、国のガイドラインに基づき、認知症状による専門的支援や身体的介護が必要な利用者については、有資格者等の訪問介護員によるサービス提供を、また、軽度な状態の要支援者に対する家事支援については、訪問介護員に加え、新たな担い手の参画を検討しております。ご指摘のように、介護現場では、人材の確保が大きな課題になっており、現時点で人材確保の見通しについて言及することは困難でございますが、必要な人材の確保に向けては、雇用契約に基づくもののほか、地域団体や

NPO、ボランティアグループの一員として、有償または無償で参画する仕組みなど、希望者が活動スタイルやライフスタイルに応じて主体的に取り組めるよう、活動の選択肢を拡げる中で、一人でも多くの方に参画いただけるよう努めてまいりたいと考えております。

質問

アンケート結果について、地域での支えあいについての市の見解は。

答弁

今回のアンケートのうち、ご紹介いただいた質問項目において、住民やボランティアによる家事援助等を「あまり受けたくない」と消極的に捉えた方が、希望する方よりも多かったことにつきましては、具体的な支援内容等を例示しない中で、希望の有無のみを問う質問内容であったことが影響しているものと考えております。一方で、ご指摘のように、新たなサービス内容や担い手などに不安を抱く利用者がおられることも認識しているところであり、今後、地域で支えあうことの必要性等を含め、総合事業の実施方針や概要などが定まり次第、利用者の皆様には、あらゆる機会を捉えて情報発信を行い、事業に対する理解を深めてまいります。

質問

専門的な観察眼もない無資格者の生活支援では、介護の質の低下を招き、介護状態の重度化が進行するとの指摘をどう受け止めるのか。

答弁

介護人材の確保が社会的な課題となる中で、国は総合事業において、専門的サービスと地域の助け合いの融合を大きな事業テーマにしており、ゴミ出しなどのいわゆる軽易な家事支援については、資格の有無を問わずに、新たに多様な担い手の参画を得て実施していくことを基本としております。そのため、本市におきましても、担い手の裾野を拡げるための取組を進めることとしており、新たな担い手の育成にあたりましては、兵庫県や県内各市町とも連携する中で、利用者が不安を抱くことがないように、必要なサービスの質が確保される研修を実施してまいりたいと考えております。

質問

寝たきり度や認知度の指標に関わらず、ヘルパーで現行どおりにサービスを実施すべきではないか。

答弁

これまでからご答弁しているとおり、総合事業では、多様な主体による支援体制の充実を目指しており、新たな担い手の活用に向けて参画の裾野を拡げるとともに、有資格者等の専門人材については、要介護者支援に重点化を図っていくことを基本としております。現在、こうした考えのもと、多様な主体による効果的な支援内容等を検討しておりますが、支援対象者のケアマネジメントにあたっては、寝たきり度や認知度などの指標等も活用する中で、これまでと同様に、専門的支援を要する方への必要なサービスの提供はもとより、利用者が自らの状態に応じて必要なサービスを選択できるよう、取り組んでまいりたいと考えております。

質問

サービス単価の引き下げを考えているが、昨年4月の介護報酬マイナス改定と人材確保にあえいでいる事業所の現状を無視しているのではないか。

答弁

総合事業では、多様な主体による効率的な地域支援の体制づくりを進めるため、前年度の事業実績を基本に、後期高齢者数の伸び率等を勘案する中で、翌年度の事業費の上限額が定められる仕組みとなっております。そうした中で、ご指摘の介護事業者を取り巻く環境については認識しておりますが、本市の現在の試算では、今後とも認定者数及びサービス利用者数の伸びが、後期高齢者数の伸びを上回ることが見込まれております。従って、現行どおりのサービス単価を維持した場合には、早い段階で上限額を超過することが避けられず、本

市の厳しい財政状況等を踏まえる中では、定められた範囲内で事業構築せざるを得ない状況でございます。今後におきましても、本市を取り巻くこうした状況等についても十分に説明する中で、関係者の理解を深めてまいりたいと考えております。

質問

国は要介護1・2についても介護保険給付から外し、総合事業へ移行する計画を進めているが、その受け皿となる事業所を潰すような方法をとることは、いずれ介護の受け皿不足を招くと危惧するがどうか。

答弁

議員ご指摘の見直し内容につきましては、報道によりますと、昨年、財務省が「財務制度分科会」に対して、社会保障制度の今後の改革案として提示したことを受け、今後、厚生労働省の社会保障審議会の部会において議論が行われる予定とされております。本市といたしましては、総合事業の目指すところは、将来の高齢者の地域生活を支えるための担い手の裾野を拡げることであり、重要な担い手である事業所を淘汰しようとするためのものではないと認識しておりますが、要介護1・2に係る見直しが行われることとなれば、事業所経営への影響も考えられることから、今後とも国の動向等を注視してまいりたいと考えております。

質問

国の介護への財政負担を増やすことが必要だと考えるが見解はどうか。

答弁

本市では、これまでから、介護保険制度の適正な運営に努めてきておりますが、高齢化の進展とともに介護サービス等の総費用が増大してきていることから、介護保険料とともに、自治体の財政負担も増大してきております。国庫負担割合の引き上げについては、保険料や自治体の財政負担の軽減につながることから、これまでから全国市長会における重点提言として、継続的に国に要望を行っておりますが、今後におきましても、あらゆる機会を捉えて国に要望してまいりたいと考えております。

質問

地域の支えあい活動や介護予防活動について、それぞれどのような展開を考えているか。

答弁

今後、総合事業を通じて、地域の実情等に応じた支え合いの仕組みを構築していくためには、住民やNPOなどの多様な主体に積極的にご参加いただくことが何よりも重要であると考えております。このため、本市では、地域の様々な活動が、単に要支援者に対するサービス提供にとどまることなく、互いに支え合える地域づくりにつながるよう、多様な方の参画を得ながら、まずは、地域の中で顔の見える関係づくりに取り組んでまいりたいと考えております。

また、介護予防活動への今後の取組みにつきましては、健やかな高齢期を過ごしていただくため、平成26年度から実施している、いきいき百歳体操の普及促進をはじめ、新たに実施する高齢者ふれあいサロンの設置の支援など、今後とも、身近な地域の中で、高齢者が気軽に介護予防活動などに参加できる環境づくりに取り組んでまいりたいと考えております。