6月議会・徳田みのる議員の一般質問の発言です

第1登檀

日本共産党議員団の徳田稔です。市内事業者の景況調査結果、市長の政治姿勢、国民健康保険の都道府県単位化、(仮称)尼崎市自治のまちづくり条例について市長の見解をお聞きします。まず市内事業者の景況調査結果についてです。安倍首相は来年4月からの消費税率10%への引き上げを2年半、再延期すると表明しました。2014年4月に消費税を8%に引き上げて以来、国内総生産の6割を占める個人消費は冷え込み続けています。消費税の8%への増税から2年あまりが経過しましたが、個人消費は増税前に比べて、2年間一貫してマイナスが続いています。今年1月から3月期の数値でも、個人消費は増税前に比べても、実質で年額8兆円も落ち込んでいます。市は4半期ごとに市内の事業所景況調査を行っています。今年1月から3月期の尼崎市事業所景況調査は、3月時点の調査で、市内600社へアンケートを郵送して調査を行い、回答率は34.5%でありました。この結果では、景気動向指数DI値、企業の業績がよくなったと回答した企業の比率から悪くなったと回答した比率を差し引いた数値です。このDI値が一昨年の消費税8%への引き上げ後の6月の調査ではマイナス14.4でしたが、今回はマイナス18.3とマイナス幅が拡大し、大幅に落ち込んでいます。市内事業所の景況判断は事業所の全業種で大幅な落ち込みを示し、市内企業の景気後退が続いていることを現しています。

お尋ねします。この事業所景況調査の結果から、市内でも一昨年の消費税8%への増税の影響が続いていると考えるべきと思いますが、市長の見解をお聞かせください

次に消費税率引き上げに対する市長の政治姿勢をお聞きします。私は、消費税率の5%から8%への引き上げの際に、市長に消費税増税の中止を表明するように求めましたが、市長は将来にわたり社会保障制度を安定的に運営していくためには、増税は避けられないと答弁されました。税制の基本は能力に応じて公平に負担する応能負担ですが、消費税はこの原則に反しています。また、所得税の負担率ですが、この負担率は年間所得1億円をピークにして低下します。1億円以上の高額所得者は株などの売買による利益が多くを占めるためです。所得税の最高税率は45%ですが、株売買の利益にかかる所得税は15%と優遇されています。いまタックスヘイブン、海外の租税回避地を利用し超高額所得者の課税逃れが大きな問題となっています。このタックスヘイブンを使った課税逃れの金額は、法人税だけでも全国で20兆円とも30兆円とも言われています。財源の確保は消費税に頼るのではなく、優遇税制を改め、応能負担の税制の原則に基づいた集め方、適正な課税を行えば、財源は確保できます。

そこでお尋ねします。消費税率10%への引き上げについて、増税延期ではなく、増税中止を国に求めるべきではないかと考えますが、市長の見解をお聞かせください

次に、国民健康保険の都道府県単位化の問題についてです。尼崎市の国民健康保険料は阪神間で一番高い保険料が続き、市民のくらしを苦しめています。年所得200万円の40歳代の夫婦、子ども2人の4人家族の国保料は年額49万円にのぼっています。今年度の国保料決定通知書が来週に届きます。今年も、高すぎる保険料が払えないと国保課窓口にたくさんの市民が訪れると思います。昨年5月、国は国民健康保険法の一部を改正し、2018年度から国保の運営を都道府県と市町村が共同で担うことになりました。県が財政運営の責任主体で,保険証は県国保証となり、県が国保財政運営の責任を持つことになります。県は、医療給付費から公的などによる収入を差し引いて、県全体で集めるべき保険料収納必要額を算出し、それを医療費水準や所得水準に応じて市町村の納付金を算出します。市町村は、県が決定した納付金を納めることになります。そのため市町村は被保険者から国保料の賦課,徴収を行います。具体的には、全国統一の算出基準をもとに、県が市町村ごとの標準保険料率を示します。市町村はそれを参考にして保険料率を決めます。加入者から保険料を徴収、保険証の発行など資格管理はこれまで通り市町村が行います。

そこでお尋ねします。国保の都道府県単位化で市の国保の業務はどのように変わるとお考えでしょうか

保険料の賦課決定権はあくまで市町村にありますが、尼崎市は兵庫県が策定する標準保険料率を使って賦課し、徴収を行うのでしょうか。

また県への納付金は100%納付が義務つけられています。県が決定する納付金を全額、保険料で徴収できない場合にはどうされるでしょうか。お答えください

次に(仮称)尼崎市自治のまちづくり条例(以下、自治条例と言います)についてお尋ねします。市は、尼崎市をくらしやすいまちにしていくため、自治の基本理念や基本的な事項を明らかにするとともに、市民、市議会及び行政のそれぞれの権利や責務、役割を定め、市民による自治のまちづくりをすすめる自治条例を検討しています。日本共産党議員団は、この自治条例の制定を否定するものではありませんが、制定にあたっていくつかの点について市長の見解をお尋ねします。まず総合計画との関連です。これまで総合計画でまちづくりの方向性を示し、行政運営の総合的な指針となる、最上位の行政計画、尼崎市総合計画(ひと咲き、まち咲き、あまがさき)を策定しています。また自治条例もまちづくりの方向性を示すものです。

お尋ねします。この総合計画と自治条例はどのような関連性を持つものとなるのでしょうか、市長の見解をお聞かせください

今回検討している自治条例では、市民の権利及び責務の中で、市民は、市政のまちづくりに参画するにあたっては、他者への理解の姿勢を持つとともに、自らの発言と行動に責任を持つように努める。また、市民、協働によるまちづくりを行うにあたって、お互いを理解するとともに、自発性及び自主性を尊重するように努めるとして、支え合うまちづくりをうたっています。一方、国の社会保障制度改革推進法の基本的な考え方として、自助、共助及び公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ、国民が自立した生活を営むことができるよう、家族相互及び国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくことと、自立、自助が強調されています。

お尋ねします。国の社会保障制度の基本的な考え方の下で、自治条例が実施されれば、この条例が自助・自立を市民に押しつけるものになっていくのではと懸念しています。市長の見解をお聞かせください。以上で第1問を終わります

第2登檀

まず国民健康保険の都道府県単位化です。県が定めた統一的な県国保運営方針に沿って、事務の標準化、 広域化が推進されることになるとして、 尼崎市は県の統一的な給付サービス基準や財政措置を踏まえ、市独自事業の見直しを検討していくとしています。その検討項目は,①財政健全化のための一般会計からの繰り入れ、②多人数世帯の保険料の特別減免、③結核・精神医療付加金及び葬祭費、④あんま・マッサージ・はり・きゅう施術費助成、⑤特定健診となっています。1人当たり国保料の負担軽減を図るため、4億円を一般会計から繰り入れていることや、多人数世帯の保険料の負担軽減を図るために、国保料の基準総所得に対する負担率が20%を超える世帯に対して特別減免を行っていることは、高すぎる国保料に対する市民の悲鳴に市が応えたものです。感染症の予防及び患者に対する医療や障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための結核・精神医療賦課金、葬祭費は被保険者が死亡したとき葬祭を行う者に対しの支給、あんま・マッサージ・はり・きゅう施術費の助成制度など、市民の切実な要求に基づいて実施されているものです。特定健診は医療費の適正化の積極的な取り組みとして行われています。いずれも市民にとってなくてはならない施策となっています。この法定外事業について、昨年4月17日の衆議院厚生労働委員会で日本共産党堀内照文衆議院議員の質問に対して、厚生労働省は「一般会計からの繰り入れには、それぞれの自治体で判断をいただく」「これを制度によって禁止すると言うふうなことは考えていない」と答弁されています。また、この問題に関して、今年3月の大阪社会保障推進協議会の質問に対して、厚生労働省の担当者は、「都道府県国民健康保険運営方針はあくまで技術的助言であり、法的拘束力はない。保険料賦課の権限はこれまでと同様に市町村にある。一般会計からの法定外繰り入れは市町村の政策判断で実施するもので、必ずしも解消、削減すべきものではない」と回答しています。

お尋ねします。厚生労働省の担当者は、都道府県国保運営方針はあくまで技術的助言であると述べています。市は県の統一的な給付サービス基準や財政措置を踏まえ、独自事業の見直しを検討していくとしています。市民の切実な要求に基づいて行われている、いまの独自事業は継続すべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください

次に自治条例です。自治条例の地域コミュニティと自治では、市民は、地域のコミュニティを構成する一員として,お互い様の精神と対話の姿勢を持って、お互いにくらしやすい地域づくりに取り組むように努めるとしています。地域コミュニティの組織として市民活動団体への加入や活動に参加し、それぞれの能力をまちづくりに活かすよう努めるとなっています。市民活動団体はそれぞれの要求に基づいて組織されている団体がほとんどです。要求に基づき自主的に運営されている市民活動団体へまちづくりの責務を課すことは、組織の崩壊を招く恐れもあります。また市民活動団体の主要な団体として地域社協を想定されています。しかし市民の社協への組織率が3割台の地域も残されています。市は地域別予算制度の導入を計画されています。市民がひとしくまちづくりの推進を行っていかないと、地域別予算の実効性も保障されません。豊中市など多くの自治体では、地域におけるまちづくりを推進していくための組織として、自主的な自治協議会や自治推進委員会を設けています。

お尋ねします。市民の社協への加入率が低い地域がある中で、市民によるまちづくりの推進がひとしくできるとお考えでしょうか

市民がひとしく、まちづくりを進めていくためには、市民活動団体に頼るのではなく、自治協議会、あるいは自治推進委員会など独自の自治制度を検討する必要がないでしょうか。市長の見解をお聞かせください

市民の市政への積極的な参加は、市職員によるわかりやすく丁寧な説明と、市民の声を十分に聞く姿勢が欠かせません。職員の皆さんの能力が問われます。現在、施策の内容などを市民の皆さんに説明する市民説明会、市民の集まりに職員が出向き、市の現状や取り組みについて説明する市政出前講座、市民の多様な意見を公募する市民意見公募手続き・パブリックコメントなどがあります。

お尋ねします。市民説明会、出前講座など市民へのわかりやく丁寧な説明と市民の声を十分に聞くパブリックコメントを自治条例の中できちんと位置付ける必要があると考えますが市長の見解をお聞かせください

札幌市や熊本市など各地で自治条例のなかに公的オンブズマン制度が設けられています。この制度は、市政に関する苦情を公平かつ中立的な立場で、簡易迅速に処理することにより、市民の権利と利益の保護を図り、市政に対する理解と信頼を高めるものです。具体的には、市政のことで困っている市民の申し立てを受付、苦情を調査し、市政の改善を図ることなどを目的とする制度です。行政の監視などのために任意に活動している民間オンブズマンとは異なります。

お尋ねします。公的オンブズマン制度等の新たな制度を検討したのでしょうか。お聞かせください

次に、子どもの人権と自治条例との関係です。自治条例では、子どもは18歳未満の市民を言うとして、子どもは、社会の一員として年齢や成長に応じて、市政やまちづくりについての権利と責務を有するとしています。子どもの権利条約を基に、子どもの人権を定める、尼崎市子どもの育ち支援条例では、子どもの成長過程において、生きる、育つ、守られる、参加する権利といった子どもの人権が尊重されるとともに、多様な人々とのかかわりや様々な経験を重ねることにより、自分を大切にする心、他人を尊重する心、規範意識などがはぐくまれ、社会の一員として様々な責任を果たすことができる大人へと成長することととらえています。子どもの権利条約では、子どもは様々な権利を有しているとなっていますが、義務は「他の人に迷惑をかけてはならない」との規定しか見当たりません。

お尋ねします。自治条例の中での子どもの権利と責務について、市民検討会議での議論の中味と、なぜ子どもの責務をいれたのか、お聞かせください

この自治条例では、公職選挙法に定める尼崎市議会及び市長の選挙権を有する者は、将来にわたって市に重大な影響を及ぼすと考えられる事項に関し、その総数の6分の1以上の者の連署を持って、市長に対して住民投票の実施を請求することができる。市長は請求があったときには、住民投票を実施しなければならないと、常設型住民等投票を規定しています。住民投票には、有権者の50分の1以上の署名を集め市長へ請求し、これにより市長は住民投票を実施する条例案を市議会に提出し、可決されれば住民投票を実施する、条例の制定請求による個別型住民投票と、有権者の一定数以上の署名を集め市長に請求し、市長が条例に基づいて実施する常設型住民投票があります。この常設型住民投票は議会の議決を要しないで、実施できるもので、個別型に比べて時間を要しません。全国的には個別型住民投票制度が多数となっています。

お尋ねします。今回の自治条例で個別型住民投票ではなく、常設型住民投票としたのは、なぜでしょうか。市民検討会議ではどのような議論がされたのでしょうか。

お尋ねします。自治条例の住民投票は有権者の6分の1の賛同が必要となっています。6分の1の判断基準はどこにおいているのでしょうか。市長の見解をお聞かせください

この自治条例の制定に向けて、市民検討会議やタウンミーティングなどが開催されてきました。自治条例に対する市民の意識の醸成は感じられず、市民的論議が十分にされているとは思いません。

尋ねします。自治条例を9月議会に提出を予定されています。もっと時間をかけて市民に内容を知らせ、意見を求め、十分な論議の時間を保障すべきと考えますが、市長の見解をお聞かせください

以上で第2問を終わります。

第3登檀

第3問は要望に留めておきます。消費税増税について市長は今回も将来にわたり社会保障制度を安定的に運営していくためには消費税の増税は避けられないと述べられました。市長、消費税と社会保障の財源をリンクさせることはやめるべきです。消費税を上げることができなければ、社会保障を我慢せよということにつながるからです。財源は消費税だけではありません。所得税、法人税など様々な税金があります。第1問で指摘したような所得税の優遇税制、中小企業に比べて有利な大企業の優遇制度、タックスヘイブン・租税回避地を利用した課税逃れなどにメスを入れるだけでも、十分な財源が確保できることを指摘しておきます。

国民健康保険都道府県単位化についてです。答弁では、一般会計からの繰り入れ、結核・精神医療付加金、あんま・マッサージ・はり・きゅう施術費助成などは削減の方向でないかと強く感じました。この国保都道府県単位化に際して、厚生労働省は国保財政へ3400億円投入する。これは1人1万円の保険料引き下げ効果があると強調しています。現在の全国の市町村の一般会計からの法定外繰り入れ総額は3900億円にのぼっています。この総額3900億円の法定外繰り入れがなくなれば、国の3400億円投入の財政効果はなくなるどころか、マイナスの財政効果となってしまいます。この法定外繰り入れを維持していかないと国保料のアップにつながっていきます。市は県の統一的な給付サービス基準や財政措置を踏まえ、一般会計からの国保会計への繰り入れなど、独自事業の見直しを検討していくとしています。市民の切実な要求に基づいて行われている、いまの独自事業は継続することを重ねて要望しておきます。

自治条例についてです。市が検討されている自治条例について、様々な点から市長の見解をお聞きしてきましたが、私の腹に落ちる答弁となっていません。多くの市民の皆さんも同じ気持ちの方も多いと思います。市民的に議論をつくすほど、自治条例は市民に定着していきます。自治条例のような市政の基本的な考え方を決める条例は、時間をかけてじっくり議論していくことが必要です。市長、この自治条例案を、十分に時間をかけ、市民的な論議を行っていこうではありませんか。以上で私のすべての質問をおわります。ご清聴ありがとうございました。